インターネットのキリスト教情報紙「クリスチャントゥデイ」の背後には、張在亨(ジャン・ジェヒョン)牧師を「来臨のキリスト」として信奉するグループが存在する疑いがあるため、付き合いをしないという内容の声明(1月27日付)が、日本基督教団総会議長石橋秀雄の名で出された。
私は、以下の理由でこの声明が撤回されることを願う者である。
まず、背後に異端的グループの存在が疑われるというが、クリスチャントゥデイ自体が提供するコンテンツにカルト的、異端的なものを見いだせないことである。むしろ、キリスト教の福音宣教に有益な記事が多い。主イエスは「良い木は良い実を結ぶ」とおっしゃったし、弟子たちが、見知らぬ人々がイエスの名を使って悪霊を追い出しているのを見てやめさせようとしたとき、主イエスは「やめさせてはならない」とおっしゃった。また、畑にまかれた毒麦のたとえもある。
私は牧師で、イエス・キリストの御言葉に従うことを説教している。だから、クリスチャントゥデイが福音を伝えている限り、それを妨害するようなことはするべきではないと考える。
次に張牧師の「来臨のキリスト」としての疑惑は、彼自身が公に否定しており、私の理解する範囲では、イエス・キリストへの信仰を告白している。さらに、議長声明において「張牧師グループ」と呼ばれている人々、クリスチャントゥデイもまた、イエス・キリストへの信仰を公に告白している。この彼らの告白は虚偽であって騙(だま)されてはならないと、日本基督教団統一原理問題全国連絡会の方々は注意を喚起している。
しかし、私自身を振り返るとき、自分自身のイエス・キリストへの信仰を他人から問われれば、「私は信じます」以上のことを言うことはできない。「あなたの信仰は虚偽だ」と言われれば、どうすることもできないし、実際、虚偽と言われても仕方がないと納得せざるを得ない。こんな愚かな罪人でさえ、「イエス・キリストを信じます」という一言によって、私は救われていると信じている。イエス・キリストの御名によって、私の途方もない罪は赦(ゆる)されているのだから、張牧師をはじめとする方々もまたイエス・キリストへの信仰を告白する限りにおいて、主にある兄弟姉妹であると考える。
それは、「御言葉を宣(のべ)べ伝えなさい。折りが良くても悪くても励みなさい」という御言葉に従うことであると私は信じるからである。この御言葉の実行において責められるべきは、私自身の怠慢であって、クリスチャントゥデイを断罪することが、この御言葉に従うことであるとは、私には考えられないからである。
そして、この御言葉を、逆風の中にあるクリスチャントゥデイとそれを支える人々に贈る。いや、「贈る」などとは、おこがましい。そうではなくて、今、この御言葉が彼らを生かし、この御言葉を彼らが証ししていることに敬意を払いたい。
2018年3月9日
日本基督教団正教師 山本隆久
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