イスラム教徒の住民による反対のために、長い間、教会を建設できなかったエジプトのある村で、新しい教会の建設が始まった。
キリスト教迫害監視団体「ワールド・ウォッチ・モニター」(英語)によると、首都カイロの南250キロにあるコムエルローフィー村では、イスラム教徒の住民が長い間、教会の建設に反対してきた。2016年7月には、新築された民家を教会に転用すると疑い、一部の住民がコプト教徒4家族の自宅を放火する事件も発生した。
コプト教徒たちは放火事件を告発していたが、昨年末に教会建設の許可と引き換えに告発を取り下げた。それにより、村から約700メートル離れた土地に教会を建設することで合意に至った。
コムエルローフィー村には約1600人のコプト教徒がおり、教会がない間は、隣接するエズベットラフラ村の聖アブ・セフェイン教会で礼拝をささげていた。
同教会のフェルタウス・イブラヒム司祭は「この新しい場所と、現在、全当事者が(教会建設に)合意していることを神にとても感謝しています」と語った。
エジプトのコプト教徒は他にも、エズバットアルフォーン、エルガラア、サフトエルカーサなどの村々で、教会が閉鎖される問題に直面している。
近年、エジプトでは教会建設の許可を得ることはほとんど不可能な状態にある。しかし昨年、エジプト議会は、教会の建設と改築に関する新しい法律を承認し、同10月には、内閣委員会が無許可で建てられた教会の合法化作業を開始するための会合を持つなど、改善の動きが見えつつある。