カトリック教会の池長潤・大阪名誉大司教(80)が、今年の「聖書事業功労者」に選ばれた。日本聖書協会(東京都中央区)が聖書普及に貢献した人物や団体を毎年表彰しているもので、神戸バイブル・ハウスの理事長を14年にわたって務め、関西地域で超教派の活動に貢献してきたことが評価された。
池長大司教は1937年、神戸市生まれ。68年司祭叙階(イエズス会)。95年に大阪教区協働大司教に任命され、翌96年大司教に叙階された。97年から2014年まで同教区大司教を務め、現在同教区名誉大司教。この他、日本カトリック司教協議会会長などを歴任した。
神戸市中心部にある神戸バイブル・ハウスは、01年に開催された「神戸聖書展」の実行委員会が基になり、カトリックとプロテスタントが協力する超教派のキリスト教センターとして03年に設立された。池長大司教は設立以来、今年3月に退任するまで理事長を務め、自身も会員組織「友の会」による聖地ツアーの団長や、神戸バイブル・ハウスが行う聖書セミナーで講師を務めるなどしてきた。
聖書事業功労者の表彰は1990年に始まり、聖書印刷を行う星共社の白井宏二社長(01年)や、新生宣教団のロアルド・リーダル総支配人(05年)、ライデン大学(オランダ)の村岡崇光(たかみつ)名誉教授(14年)らが受賞している。神戸バイブル・ハウスも12年に団体として受賞しており、昨年は「聖書クイズ王決定戦」の基礎クイズ考案提供者である谷利仁志氏(日本バプテスト同盟磯子の丘教会員)が受賞した。
表彰式は、日本基督教団富士見町教会(東京都千代田区)で12月7日に開催される日本聖書協会主催のクリスマス礼拝で行われる。