ドイツのライプチヒ大学図書館は21日、エジプトで19世紀に発見された世界最古の聖書の1つである「シナイ写本」を24日からインターネット上で公開すると発表した。AFP通信が報じた。
4世紀前半に作成されたとされる「シナイ写本」はシナイ山の聖カタリナ修道院でドイツの聖書学者コンスタンティン・フォン・ティッシェンドルフによって発見されたもので、「バチカン写本」と並びギリシャ語で書かれた世界最古の聖書。上質皮紙350ページにわたって記載されており、最も正確な新約聖書を記録していると言われている。
「シナイ写本」はロシア皇帝に献上されたが、ロシア革命後の1930年代、旧ソ連のスターリン書記長によって英国に売却され、現在は大英博物館に所蔵されている。また、40ページ分ほどはライプチヒ大学に所蔵されており、さらに1970年代には聖カタリナ修道院で別のページも発見されている。
大英博物館とライプチヒ大学が出資する今回のプロジェクトは、各地に分散する「シナイ写本」を1つにまとめることが目的で、英国とドイツ、ロシア、エジプトがそれぞれ所蔵するページをデジタルデータにスキャンし、インターネットで公開するというもの。
公開場所は同プロジェクトのホームページ(http://www.codex-sinaiticus.net)で、高解像度の画像形式で公開される。ギリシャ語のテキストが全文掲載され、重要な文章については英語とドイツ語の翻訳が付くという。24日には100ページほどが公開され、次回の公開予定は11月。2009年には全文の公開を目指すという。