シンガポールのメガチャーチ、フェイス・コミュニティー・バプテスト教会(FCBC)からカレブ・チャン牧師が日本に派遣され、仙台に続き、横浜でも今年4月から開拓伝道を始めた。横浜の教会は、キリスト教書店「オアシス横浜」と同じビル内にある。横浜駅から徒歩圏内という好ロケーションだ。
FCBCシンガポールは1986年にローレンス・コン牧師によって600人から始められ、その後、1万人以上が礼拝に集い、約700のセルグループを持つ大教会へと成長した。
チャン牧師が日本を訪れたのは2011年3月。東日本大震災直後だった。甚大な被害を受けた日本の様子をテレビで見ながら、FCBCシンガポールでは皆が必死に日本のために祈った。チャン牧師は祈りをささげる中で、不思議と日本に行くよう導かれた気がしたという。
震災から10日後、被災地に入り、ボランティアとして献身的に働いた。その後、FCBCシンガポールから約200人のボランティアが派遣されると、チャン牧師は、彼らを受け入れるボランティアコーディネーターとして3カ月、仙台に滞在した。
その後、日本での宣教を神から示されたというチャン牧師は、妻のクリスティーナさんと共に来日。言語も違い、習慣も違う日本で生活をスタートさせることは簡単ではなかった。住居探しに不動産屋に行っても、「外国人には貸せない」とキッパリ断られることも珍しくなかったという。
その後、牧師をしている友人などの支えもあって、住まいと教会堂となる場所を見つけることができた。FCBC仙台が設立されたのは2014年。少しずつだが礼拝に集うメンバーも増えてきている。
チャン牧師は言う。
「イエス様が最初に12弟子を持って福音を伝えたように、私も日本の上位12都市に教会を作っていきたい。それぞれの都市で信徒たちと共に福音を伝えることができたら素晴らしいと思う」
今回、横浜で開拓伝道を始めるにあたっては、良き人材が備えられていた。10年ほど前、仕事のためにシンガポールに滞在し、FCBCシンガポールで受洗した日本人夫妻が横浜に住んでおり、彼らがすぐにFCBC横浜設立のために奉仕をしてくれたのだ。このように、必要な時に必要な人を神が備えてくださり、準備は急ピッチで進んだという。
仙台と横浜という遠く離れた2つの教会を兼牧するチャン牧師は、土曜日の夕方には仙台教会、そして日曜の午後に横浜で礼拝を行う。すでに、さまざまな国籍のメンバーが教会に集まっている。賛美は英語と日本語で行い、取材に訪れた日はシンガポールからの来客が多かったため、「主の祈り」は日本語、英語、中国語でささげられた。説教やその他報告などもすべて通訳が付く。
ビルの周りには、北朝鮮などを含むアジア各国の団体がオフィスを構えている。「この場に教会を建て、彼らのために祈る場を与えられた意味は大きい。主の導きを感じる」とチャン牧師。
毎週ではないが、特別愛餐会の時にはシンガポール料理が振る舞われることも。この日も、オリエンタルな香りが食欲をそそるシンガポールチキンカレーを皆でいただいた。
現在、仙台の教会では、地域の子どもたちのための「スタディーセンター」を作るプロジェクトが進行中だ。経済的理由などで塾に通うことができず、学校の授業から後れをとっている子どもたちのために、教会がボランティアで勉強を教える場を設けるというもの。このプロジェクトは、横浜の教会での展開も考えているという。
また、ジョン・ルーカス氏によるゴスペル教室も横浜の教会で始まっている。7月31日、8月28日、9月18日、各月曜日、午前11時から12時半まで。レッスン料は3千円。詳しくはメール([email protected])で問い合わせを。