エレマンスのサン・ニコラ教会 (カトリック)
Eglise St-Nicolas Hérémence(スイス・ヴァレー州)
設計者: ヴァルター・フェルデラー Walter M. Förderer
献堂 1971年 訪問日 1999年4月29日
1968~71年建設。彫刻家、建築家のヴァルター・フェルデラー(バーゼル出身)設計。積み木を重ねたようなゴツゴツとした外観のコンクリート造りのモダンなデザインのカトリック教会。内部も複雑なコンクリート打ち放し。500席を設けているが、立ち席を入れると1500人の収容能力がある。建物の高さ37メートル。
ヴァレー州エレマンスの谷の美しい山々に囲まれた小さい村(村の名前もエレマンス)にそびえ建つ。同じフェルデラー設計である、リヒテンシュタイクのカトリック教会や、シャウハウゼンの聖コンラトセンターも見ることができた。
ジュネーブ在住の岸井敏牧師(元ルーテル世界連盟勤務、著書『赤十字巡礼』他)と典子夫人は、1999年4月、2003年9月の2度にわたるスイス建築視察で、全行程車を運転して案内してくださった。見学場所に前もって連絡を取り、交渉、下見、調査をして効率的なルートを考え、スケジュールを作成、牧師の豊かな知識に基づく説明と通訳ガイド、奥様は助手席でナビゲーター、おいしい料理を作り、ご自宅に泊めてくださった。
ハードな日程をものともせず、行く先々で感動する私たちと一緒に喜び、建築ウォッチングの楽しみを共有できた。先生ご夫妻の多大なる協力がなければ、こんなに充実した中身の濃い視察はできなかったと、深く感謝している。
ジュネーブを出発し、レマン湖沿いに高速道路を走り、ローザンヌ、モントルー、サン・モーリス、シオンを経てエレマンスまで176キロ。白い雪を頂いたアルプス、新緑の木々、美しい町や村、スイスの4月は春の息吹が満ちている。
エレマンスの近く、ユージンヌのピラミッド・・・岩の巨大なかたまりが浸食作用で削られ、とがった細長いピラミッド状になった奇妙な「帽子をかぶった円柱」が突き出ている。トルコのカッパドキアと同じ不思議な景観。
建築家フェルデラーは彫刻家でもあり、積み木を重ねたような外観、内部も彫刻的なデザイン。岸井先生がある時この村を訪ねて面白い教会を発見、「ぜひ西村に見せたい」と思ったというエレマンスのサン・ニコラ教会。振り返れば、私たちの教会を訪ねる旅はここから始まったともいえる、出発点となった教会。
礼拝堂内部 会衆席が祭壇を囲むスタイル
ヴァレー州の小さい村エレマンス
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