ルーテル派教会と改革派教会を中心に、欧州の100以上のプロテスタント教会からなる欧州プロテスタント教会共同体(Community of Protestant Churches in Europe、CPCE)協議会が、異文化間の対話促進において宗教の果たす役割が大きいとする声明を発表した。
声明は、欧州における文化的多様性の高まりが、異文化間の対話をより必要とする、新しい社会的、政治的挑戦をもたらすとし、「宗教が異なる文化間の対話において、争いの原因としてのみとらえられるべきではない」と強調。異文化間対話において、宗教が建設的で重要性な役割を果たすと訴えた。
欧州では先月末、47カ国からなる欧州評議会(CE)が異文化間対話に関する白書を発表、今回の声明はそれに続く形で出され、異文化間対話における宗教の重要性を認める同白書を歓迎した。
フランスのストラスブールで先月末出された同白書は、異文化間対話が、民族的、宗教的、言語的、文化的分裂を防ぐための、欧州全体としてのアイデンティティーを築く上で重要な役割を果たすとする一方、各宗教共同体がこれまで推し進めてきた異宗教間による対話によって、異文化間の理解増進に重要な貢献をしてきたと評価した。
同協議会は、「欧州社会共通の利益に対して、信仰共同体が日々の生活の中で果たす積極的な貢献を、欧州評議会が注目するように促したい」としている。
その一方で同協議会は、異文化間対話が各立場を尊重するものとなるべきだとしながらも、「改革教会は、既存教会の現状や教義に対する批判から生まれてきた」と、これらの対話においても異なる信仰に対して批判する権利を含めるべきだと主張している。