【CJC=東京】米大統領選の民主党指名争いで優勢なバラク・オバマ上院議員は5月31日、ミシェル夫人との結婚式や娘の洗礼式も行うなど長年所属してきたシカゴのトリニティ合同教会に退会届を出したことを明らかにした。11月の本選挙に向け白人層の離反を防ぎ、共和党の攻勢に備える狙いがあるとみられる。
オバマ氏は熟考の末に退会を決断したと明らかにしたが、問題発言についてはコメントを避け、同教会に対する追及も望まない意向。
信仰生活の師と仰いだ同教会のジェレミア・ライト牧師が人種対立をあおる発言を繰り返したことに加え、同じく親交のあるカトリックのマイケル・フレガー神父が同教会で、大統領候補指名を争うヒラリー・クリントン上院議員を白人優越主義者であるかのように表現したため、同教会に通い続けることは今後の選挙戦で不利になると判断したとみられる。
オバマ氏とミシェル夫人は、ライト牧師が4月28日に全米記者クラブで発言して以来、教会退会を検討していたという。ただ、米国には信仰心の厚い有権者も多く、「無所属」状態で選挙戦に臨んでは新たな問題を生じやすいところから、今後、新しい教会を探す意向だ。