【CJC=東京】中国四川省で5月12日発生した大地震の被災者に、『愛徳基金会』(本部・南京)が緊急救援を開始した。
外国からの援助も含めて、救援の主力が交通の便のある都会中心に展開され、脱出して来た避難民には援助の手が差し伸べられるようになったため、『愛徳基金会』は現場への接近が困難な山間部の遠隔地農村支援に力を入れている。
11日ぶりに80歳の男性が救助された綿竹では、今も5000人近くが運動場で暮らしている。負傷者も多数に上っており、援助もままならない所から、心理面でのケアも必要。『愛徳基金会』は、心的外傷カウンセラーとソーシャルワーカーのボランティアチームを派遣した。
近郊の村では、飲料水、ビスケット、即席めんや医薬品などが政府の手で配られた。「援助食糧はおいしいけれど、農民の私としてはご飯を食べたいし、野菜いためを作りたい。衣料や寝具などはつぶされた家の中にあるのでもう使えない」と女性が語っていた。
『愛徳基金会』から調理用の菜種油や布団などが届くと村人の1人が、「本当に私たちは助かった。どうしてこれほど速く届けられたのか想像できない。私たちのほしいもので助けてくれたのだ」と語った。ほとんどの家が潰されたり、大きな被害を受けている状況を見た『愛徳基金会』のスタッフは調理油6800キログラムと布団1700枚を持ち込んだ。村人は驚きと共に、物資の積み卸しに協力した。
『愛徳基金会』は、防水シートや米などの必需品も購入、配布の準備を進めている。
援助が十分でない地域では、子どもと高齢者だけに1日1椀の米が提供されるだけ、という例も報告されている。『愛徳基金会』はなお実態調査を進めると言う。
『愛徳基金会』が加盟している国際ACT(教会共同行動)ではとりあえず147万5000米ドル(約1億5200万円)の募金を開始した。緊急援助に続いて、『愛徳基金会』は村落再建援助に乗り出す計画で、それには住宅600戸、学校10カ所、診療所5カ所が含まれている。さらに給水潅漑システムも援助対象としている。
ボランテア団体の多くが、様々な規制の下で援助活動がままならない中で、『愛徳基金会』は現地当局と綿密に連携を取りつつ活動している。さらに活動を円滑にするため、『愛徳基金会』は現地の協力団体やキリスト教協議会などと「調整チーム」を立ち上げた。