志免町の栄光病院ホスピス長、下稲葉康之さん(65)の著書「癒し癒されて」(発売中)が話題を呼んでいる。著書には、医師として2700人もの患者を見取った下稲葉さんの、末期がん患者や家族との交流の記録が、クリスチャンとしての証しと一緒にまとめられている。
栄光病院では、90年にホスピス(緩和)病棟の認可を受けた後、末期がん患者の心身のケアに取り組んできた。著書では、担当した14人の患者を中心に、死に直面した患者や患者の家族とどのように接し、生きる意味を伝えてきたのかを詳細に述べながら、読み手に命のメッセージを訴えている。
「死は忌むべき無残な敗北でなく、人生の晴れがましい完結であり、天国への凱旋だ」と語る下稲葉さん。スピリチュアル・ケア、栄光病院の将来像等に触れる。いのちのことば社刊。価格は1300円(税込み)。問い合わせは栄光ホスピス研究会出版部(電話:092