広島で核廃絶や平和を訴える活動を行っていた日本基督教団の隠退教師、宗藤尚三(むねとう・しょうぞう)牧師が30日、召天した。89歳だった。
1927年広島市生まれ。太平洋戦争中は勤労動員で呉市の海軍工廠(こうしょう)で働き、45年8月6日、爆心地から1・3キロ地点にあった実家で被爆した。その後洗礼を受け、49年に東京神学大学の第1期生として入学。27歳で日本基督教団の牧師となり、その後は、被爆体験の証言や核廃絶、憲法9条を守る運動、さらに宗教者の立場から平和を訴える活動に尽力した。
著書に、『心の内なる核兵器に抗して―被爆牧師のメッセージ』(2010年、キリスト新聞社)、『核時代における人間の責任―ヒロシマとアウシュビッツを心に刻むために』(14年、ヨベル)など。広島宗教者九条の会代表世話人、日本宗教者平和協議会常任理事、「さよなら原発ヒロシマの会」運営委員長などを務めていた。
前夜式は31日午後7時から、葬儀式は11月1日午後1時から、日本基督教団広島教会(広島市中区大手町5−16−23)で行われる。喪主は同教会員で妻の信江さん。詳細は、同教会(電話:082・243・0520、FAX:082・243・3761)まで。