南山大学(名古屋市)社会倫理研究所は上智大学生命倫理研究所と共催で10月22日(土)、「持続可能な発展は可能か~回勅『ラウダート・シ』を複眼的に読む」と題した公開シンポジウムを開催する。
「ラウダート・シ」は、2015年に教皇フランシスコが発表した回勅。現代における環境と社会の問題を総合的な視点から捉えてその解決を促すもので、歴史的な回勅として評価されている。特に「総合的エコロジー(Integral Ecology)」を提唱し、現代の地球環境問題について踏み込んだ提言が行われたことは、多くの国際条約が功を奏していない現状に対して、意味を持ち得る可能性があると期待されている。
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シンポジウムでは、カトリックの伝統の中でこの回勅をどう位置づけるか、特定の宗教的背景のもとに発表された言葉が、世界の人々にどのような意味を持ち得るかについて、今年8月に日本でも刊行された「ラウダート・シ」を複眼的に読むことを通じ、環境と社会と宗教をめぐる現代社会の諸問題について包括的に取り組む手がかりを得ることを目指すとしており、以下の3氏が専門的見地から発表を行う。
▽吉川まみ上智大学神学部神学科講師「持続可能性に向けた関係性の再構築と“総合的なエコロジー”」
▽神崎宣次南山大学外国語学部英米学科教授「現在の環境倫理学の観点から見た『ラウダート・シ』」
▽佐藤啓介南山大学人文学部キリスト教学科准教授「回勅を神学的に読むか、哲学的に読むか?」
参加無料で事前申し込み不要。詳細は、南山大学社会倫理研究所のホームページ。
日時:2016年10月22日(土)午後2時から5時
場所:南山大学名古屋キャンパスB棟2階B21教室
連絡先:南山大学社会倫理研究所 〒466-6673 名古屋市昭和区山里町18
(電話)052・832・3111(内線3413、3414)
(メール)[email protected]