今年で献堂100年を迎えるのを記念して「明治学院礼拝堂献堂100周年記念講演会」(主催:同学院歴史資料館)が11月5日(土)、東京都港区の明治学院礼拝堂で開催される。講師は(株)一粒社ヴォーリズ建築事務所史料・広報室長の芹野与幸氏。
明治学院のシンボル、明治学院礼拝堂は、日本に数々の西洋建築を残したことで知られる建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズ(1880~1964)の設計によるもので、米国の実業家、セベレンス父子の献金を基にして建てられた。1916年に約450人が参加して献堂式が行われ、その後関東大震災に見舞われながらも、1989年に「東京都港区有形文化財」、2002年には東京都港区「景観上重要な歴史的建造物等」に指定されるなど、建造物として非常に高い価値を持つ。
ヴォーリズは、自身が手掛けた明治学院礼拝堂に強い愛着を持っており、1919年に子爵の家柄である一柳(ひとつやなぎ)満喜子と結婚するときも、結婚式場として選んだのが、同礼拝堂だった。今回の講演会では、普段一般公開されていない荘厳な雰囲気を有する礼拝堂で、100年の時代を超えて今なお「信仰の場」「学院の精神的シンボル」として建ち続けるその歴史に触れることができる。
講演者の芹野氏は、桜美林大学在学中にヴォーリズの愛弟子であり桜美林学園創立者の清水安三(1891~1988)に直接学び、ヴォーリズが創立した一粒社ヴォーリズ建築事務所に1989年から勤務。業務の傍ら、ヴォーリズの人物史、建築に関する研究、広報に携わるとともに、NHK文化センター講座、大学、YMCA、YWCAなどの各団体での講演活動を通して、ヴォーリズの魅力や建築について伝える活動をしている。
入場無料で事前申し込み不要。来場者には記念冊子『明治学院と礼拝堂』をプレゼント。問い合わせは、明治学院歴史資料館(東京都港区白金台1-2-37、電話:03・5421・5170、メール:[email protected]、ウェブサイト)まで。
また、献堂100周年記念展示「明治学院と礼拝堂」も同時開催される。展示期間は、10月中旬から2017年4月28日を予定している。会場は、明治学院歴史資料館展示室で、開館時間は平日午前9時から午後4時。特別開館日は、11月3日(木・祝)午前10時半から午後4時、5日(土)午後12時から5時。
さらに、明治学院記念館1階の小チャペルにおいて、明治学院大学生・高校生チャペル作品展も開催される。展示期間は11月1日(火)から12日(土)で、開館時間は午後1時から4時。ただし、文化財ウィーク中(11月1日~3日)は午前10時から開館、11月6、10日と上記時間帯以外は閉室となる。問い合わせは、明治学院学院長室(電話:03・5421・5230、平日午前9時~午後4時)まで。