日本では霊感商法の被害で知られるカルト団体・世界基督教統一神霊協会(統一協会)の教祖・文鮮明(ムン・ソンミョン、88)の宗教分野における後継者として、鮮明を父とする韓鶴子(ハン・ハクチャ、65)の七男・文亨進(ムン・ヒョンジン、28)が選ばれたことが19日までにわかった。AFP通信が同協会広報の情報として伝えた。
韓国の毎日経済新聞によると、亨進は18日、同国京畿道の統一教天正宮博物館で、世界会長及び韓国会長に就任。統一協会の関係者は、亨進が教団の国内外組織を総括する会長に就任したとして、統一協会関連のグループにおける教会分野の責任者となったと、明らかにした。
統一協会は世界的にもエホバの証人(ものみの塔)、モルモン教(末日聖徒イエス・キリスト教会)と並ぶキリスト教の三大異端とされており、日本では1970年頃から活動が活発化。全国霊感商法対策弁護士連絡会の「統一協会の現状」によると、日本の統一協会は、1975年から約10年間にわたって鮮明のもとに毎月50〜100億円の資金を送り続けたとされており、現在も毎年100億円以上の資金を送っていると見られている。
統一協会は世界的に様々な関連団体・企業を有しているが、統一協会の関係者の話によると「(亨進は)会長就任とともに世界宣教本部長も任せられ、事実上教団の責任者になったが、統一グループ全体の後継者につながるものではない」(同紙)という。
今年3月には、同協会関連のボランティア団体「SHINZEN」(東京都世田谷区)の会員男性が住居侵入容疑で書類送検された。警視庁公安部は「SHINZEN」がボランティア団体を名目とした統一協会の資金源と見ており、今後活動の実態解明を進める方針としている。
【お詫びと訂正】 4月21日午後1時40分ころから同22日午後4時40分ころにかけて掲載されていた記事「霊感商法の統一協会、後継者に三男・文顕進」に関して、後継者として三男・文顕進(38)が選ばれたとしていましたが、正しくは七男・文亨進(28)です。お詫びして訂正いたします。