聖カタリナ大学(愛媛県松山市)は、2017年4月から人間健康福祉学部に看護学科を新設することを発表した。松山市内の新キャンパスで、4年制大学ならではの充実したカリキュラムを通じ、地域医療を担う看護師の育成を目指す。
同大は、1988年の開学以来、キリスト教人間観に基づき健康福祉社会の実現を目指して教育を行ってきた。その精神にのっとり新設される看護学科は、看護実践能力を修得するための体系的な教育研究を行うことを通して、地域社会の保健・医療・福祉に貢献する豊かな教養を備えた人材を養成することを目的としている。
看護学科の学びの特色は、「福祉系大学の教育資源を生かした看護教育」「地域包括ケアを担う看護師・保健師の養成」そして「松山赤十字病院との協力協定に基づく看護教育」の3点。看護学だけでなく、社会福祉学や介護学、心理学といった看護教育と関係の深い学問も学内の専門の教員から学ぶことや、地域住民や多様な専門職との連携ができる看護師の資格を取得することが可能となっている。
また、実践的な臨床を学習する臨地実習は、松山赤十字病院を中心に行われ、地域医療はもとより国内外の災害救護に関わる看護教育を受けることができる。日本赤十字社の認定資格(日本赤十字救急法救急員ほか)の取得も可能だ。
地域の健康福祉社会の実現を目指す看護学科では、看護師の国家試験資格取得はもちろんのこと、病気の予防や健康増進・管理のために保健指導や相談業務、日常生活支援などを行うことで地域の健康ニーズの担い手となる保健師の国家資格も取得できる。
同大は現在、愛媛県松山市の伊予鉄道「松山市駅」から徒歩1分の好立地に「聖カタリナ大学松山市駅キャンパス」を建設中で、看護学科はこの新キャンパスに設置される。同キャンパスは、地上5階建ての講義棟と研究棟の2棟からなり、講義棟1階には医学書を中心とした図書館を設置し、教育研究活動に役立てるとともに、一般市民にも開放するなど地域医療の情報発信基地として活用することを検討中。また、200人収容可能な大講義室では、将来、市民講座やフォーラムの開催なども想定している。