ローマ教皇ベネディクト16世の初の米国訪問が始まった。バチカンをイタリア時間15日正午過ぎに出発し、同日最初の訪問都市ワシントンに近いメリーランド州のアンドルーズ空軍基地に到着。到着した教皇は、迎えたブッシュ米大統領らから盛大な歓迎を受けた。訪問は6日間の日程で予定されており、米国カトリック司教協議会や、スタジアムで開催される屋外ミサなどに参加。国連本部での演説も予定されている。
今回はベネディクト16世にとって8回目の海外司訪問。訪米期間中、16日には81歳の誕生日、19日には教皇就任3周年目を迎え、米国政府はホワイトハウスで約1万2000人の来賓が出席する歓迎晩餐会などを予定している。また、教皇就任3周年を記念しての屋外ミサを訪問地ワシントン、ニューヨークの両都市のスタジアムで開催。20日行われるニューヨーク・ヤンキー・スタジアムでのミサには6万人が参加する見込み。
訪問のテーマは「キリスト、私たちの希望」で、訪米前の13日のミサではバチカンのサンピエトロ広場に集まった巡礼者らに、今回の訪問が全米のキリスト者らに精神的な再生をもたらすよう祈って欲しいと呼びかけた。訪問では、米国で特に問題になっているカトリック司祭らによる児童への性的虐待についても協議する場がもたれる。
国連本部で講演する教皇としては、パウロ6世、ヨハネ・パウロ2世に次いで3人目。諸宗教の代表者らとの集い、エキュメニカルな集い、シナゴーグ訪問なども予定されている。最終日20日には米同時多発テロ事件(9.11事件)で倒壊した世界貿易センタービルの跡地「グランド・ゼロ」を訪問する。
【お詫びと訂正】 4月16日午前7時30分から同17日午後3時27分にかけて掲載されていた本記事で、国連本部で講演した教皇の1人として「パウロ4世」としていましたが、正しくは「パウロ6世」です。お詫びして訂正致します。