【CJC=東京】英国営BBC放送によると、独カトリック教会は、第二次世界大戦の間、強制労働の行使に関わったことを認める報告書を発表した。700ページに及ぶ報告書は、捕虜1000人と約5000人の民間人が、戦争協力へナチスのために働くことを余儀なくされた、と記している。
その人たちは800に及ぶカトリック教会運営の病院や修道院などの施設で動員されたもの。教会はすでに、ナチスが強制労働に使用した外国人労働者に数億円規模の補償を行っている。
「カトリック教会が長い間、欧州全土から強制労働者としてドイツに移送された男性、女性そして子どもの運命と苦難に目をつぶっていたことを隠すべきではなかった」と、マインツ司教のカール・レーマン枢機卿は語った。
同枢機卿はこの1月、独司教会議会長を退任したが、教会が使用した強制労働者の数はナチスが動員した約1300万人のごく一部に過ぎなかった、と指摘している。
報告がテレビで放送された際、枢機卿は、病院、家庭、修道院などカトリック団体で強制労働に従事させられた人たちの事情は他の場所より悪くはなかった、と語った。
独プロテスタント教会はすでに、ナチス時代に同様の強制労働を利用したことを認めている。ドイツ銀行、フォルクスワーゲン、シーメンスなど主要企業も、自らの関与について調査を進めている。