AFP通信によると、ノルウェー国教会(ルター派)は8月15日、教会員名簿を整理する目的で、教会員としての登録をインターネット上で選択できるウェブサイトを公開した。サイト公開後、教会籍を抜くことを希望する人が相次ぎ、同教会によると、同18日までの4日間に1万5053人が同教会を去った。また、実にその大半を占める1万854人が、初日の15日に教会籍の取り消しを選んだという。
教会員名簿から突然に大量の名前が抹消されるという緊急事態に、ノルウェー国教会の執行機関である「全国協議会」のクリスティン・ガンレイクスルド・ラーウム代表は、同教会のウェブサイトで声明を発表。ノルウェー国教会は今後も、新しいオンラインシステムに関して透明性を保ち続け、もはや教会の一員であることを望まない教会員に対して、より少ない労力で教会を去ることを認めることを明らかにした。
ラーウム氏は、「私たちは広く、開かれた国教会であり続けます。しかし、誰も自分の意志に反して宗教共同体の一員であるべきではありません。ですから、人々が自分で自分の立場を選択し、問題を解決できる環境が整ったことを私は喜んでいます。手違いでノルウェー国教会の教会員として登録した人たち、あるいは教会員であることを願わない人たちは、今、たやすく自分の立場を変更することができます。そしてもっと正確な登録がなされ、現状に即した、より良い教会員名簿が作成されるようになるのです」と述べた。
全国協議会のイェンス・ペッテル・ヨンセン事務局長は、今回の教会員の大量離脱に関して、オンラインシステムの導入前から多くの人が教会を去ることを決めていたことが原因だと述べた。新しいシステムの導入は、彼らの決断を簡単に公にできるちょうど良い機会を提供したに過ぎないという。
「これまでも教会を退会するのは決して難しくありませんでしたが、多くの人たちは退会届を提出することを怠り、誤って登録された情報を訂正したりしませんでした。このセルフサービスの導入は、退会手続きをもっと容易にするのです」
ノルウェー国教会によると、オンラインシステムによる教会員名簿へのアクセスは、教会と教会員たちとのさらに直接的なコミュニケーションを実現する。これは、ノルウェー国教会の重要なデジタル戦略の一部だという。
ジョンソン氏は、「より良いデジタル技術の採用により目指していることは、人々が国教会は彼らのためにそこにあるということを、実際にその目で確認することです。ノルウェー国教会は380万人の教会員を有しています。国の全人口の73パーセントを占めます。洗礼を受け、私たちの教会の語ることを聴きたいと願う人々は誰でも教会員として迎えられます」と付け加えた。
ノルウェー統計局によると、全国のノルウェー国教会で持たれている礼拝の数と礼拝出席者数は近年減少している。
2014年〜15年の間、教会員数は全体の2パーセントに当たる12万2千人が減少した。礼拝出席者数は、05年には全国年約7万回の礼拝に対し670万人だったが、それ以降は11年を除いて毎年減少傾向にある。過去10年で礼拝出席者数はほぼ100万人減少した。
受洗者数もまた減少している。15年の受洗者数は約3万4100人で、14年より約900人少なかった。出生数に対する受洗者数の割合も、14年の59パーセントから1パーセント減少し、15年は58パーセントとなった。ノルウェー統計局によると、出生数に対する受洗者数の割合は、05年は76パーセントだったが、その後は毎年減少している。