5人の子どもたちの親であるクリスチャン夫婦は、ノルウェー児童福祉局が、キリスト教の「教義の刷り込み」から子どもたちを「守る」という名目で7カ月前に保護した子どもたちと、間もなく再会する。4人の子どもは今も保護されているが、当局がその4人を家族の元に帰すことに合意したためだ。
「私たちは皆様のご愛とご支援、お祈りに感謝しております。また、家族の再会のための活動にご参加くださり感謝しています。主が皆様を豊かに祝福し、皆様の労に報いてくださいますように」と、両親のマリウス・ボドナリウさんとルース夫人は言う。ルーマニア・インサイダーによると、2人はルーマニア・ペンテコステ教会に所属し、10年余りノルウェーで暮らしている。
ノルウェーの新聞「Dagen」によると、子どもたちを家族の元に戻すという決定は、一家との間で交わされた合意の一部だという。
ノルウェー児童福祉局は、子どもたちが「急進的な」キリスト教徒によって育てられ、「教えを刷り込まれている」という担任教師の懸念に基づき、昨年11月16日と17日に5人の子どもたちを保護した。しかし、米国、ルーマニア、その他の欧州諸国を含む多くの国々の議員や弁護士、キリスト教グループが、ノルウェー児童福祉局の行為に対して深刻な懸念を表明した。
4月上旬、5人のうち最年少の子どもだけ両親の元に戻された。その他の子どもたちが、いつ戻されるかは不明であった。
「今後、子どもたちが私たち家族の元に戻り、元の環境に落ち着くまでの期間、私たち一家のプライバシーが尊重され、家族の親しい関係が守られることが極めて重要です」と両親は語る。
ルーマニア議会のベン・オニ・アルデレアン議員は7日、フェイスブックの投稿の中で、欧州評議会がボドナリウ家の訴訟に関する報告書を承認したことを発表した。
「本日、欧州評議会の社会問題・健康・持続可能な開発委員会は、『子どもの利益と家族関係維持のバランス』に関する報告案を推敲する決定を下しました。(中略)報告書は、ノルウェー児童福祉局における児童虐待に関する認識が、この分野における欧州評議会の基準とどの程度一致しているかを考察し、その決定に基づいて報告書から主な結論を引き出した上で、ノルウェーの関係当局に対して具体的な法的措置を提案することになります」と、アルデレアン議員は投稿の中で述べた(投稿はルーマニア・インサイダーによる翻訳)。
一家は昨年11月、子どもたちを解放する決定を下すよう代表機関に求めたが、却下された。
事件当初、警官らは書類を持たずに一家の自宅に駆けつけ、強引に2人の息子と、幼いエゼキエルくんを抱きかかえたルツさんを取り押さえ、署に連行したと、英国に本社を置くクリスチャン・インスティチュートは報じた。また警官らはマリウスさんの職場にも行き、マリウスさんを逮捕した。
数時間にわたる尋問後、両親と幼いエゼキエルくんは釈放され、自宅に帰ることを許可されたが、その他の子どもたちは許可されなかった。警官らは翌日、再びボドナリウ一家を訪れ、ルツさんを「危険人物」だとして、エゼキエルくんを保護した。
米国、その他の国々の弁護士100人余りと、欧州評議会の議員らは先月、ノルウェーの首相宛てに書簡を送り、ノルウェー政府による児童の保護は、国内法および国際法に違反していると述べ、子どもたちの即時解放を訴えた。
「この国際的事件は法的見地において受け入れ難いばかりか、人道的見地からも受け入れられるものではない。このような違反行為は、国内法および国際法に対する嘆かわしい侵害である。それゆえノルウェーは子どもたちを即時解放し、生みの親の元に帰すことが肝要である」と、書簡の著者は要求した。