カナダ聖公会で同性婚を認める投票の数え直しにより、当初はこの議案が聖職議員票の1票差で否決されたと報告されていたのが、実は1票差で可決されていたという、びっくりするような逆転が示された。アングリカン・コミュニオン・ニュース・サービスがカナダのアングリカン・ジャーナルからの記事を転載して13日、報じた。
満場となったカナダ中の聖公会員が、驚きや希望、そして場合によっては衝撃のうちに、過去24時間にすでに多くの論争を巻き起こしていた、最初は決してなされることがなかった決定が示されるのを見つめていた。
カナダ時間で11日夜に行われた、結婚に関する法規を変えるこの投票は、多くの人たちにとって驚きであった。僅差となるであろうことは予想されていたものの、信徒・聖職・主教議員団のそれぞれにおいて3分の2の多数決が必要とされたことから、それは主教議員団に受け継がれるであろうと推測されていた。
実のところ、この議案は聖職議員団によってやめさせられたように見えた。もともとは結婚の法規を変えることに賛成する聖職議員が77票中51票を記録していた。後で分かったのだが、この数には、総会の総幹事であるマイケル・トンプソン大執事の票が含まれていなかった。トンプソン氏の票が数えられると、それは78票中52票となり、3分の2の多数決で必要とされるしきい値を超えて票をわずかに動かした。
この間違いは投票に使われる電子クリッカーによって引き起こされたと、総会事務長のデビッド・ジョーンズ氏は述べた。
トンプソン氏は幹部としての立場上、自動的に総会の一員とされるが、聖職者議員団の一員として電子データベースに列挙されていなかった。そのため、この結果を表に作ったプログラムが、聖職者議員団によって投じられた票の中に彼の票を含めなかった。
これはトロント教区のケビン・ロバートソン参事司祭がカナダ時間の12日午後、各議員が結婚の法規についてどのように投票していたのかを公表するように求める議案を総会の議場に提出したときに発見された(この情報は記録されることが、投票に至るまでの審議中に決定されていた)。この議案が可決されてその情報が公表された後、票が数え直され、トンプソン氏のものが聖職者議員団の数の中に含まれていなかったことが発見された。
報告された不備の被害者は、トンプソン氏だけではなかった。ケベック教区のピエール・ボイヤー大執事、「民の領域」のダニー・ホワイトヘッド牧師、ケベック教区のルース・シーランさんは、皆この法規を変えることに賛成していたが、自分たちの票が全く記録されていなかったと申し出た。
ところが、東ニューファウンドランドおよびラブラドル教区のデビッド・バロウズ参事司祭が指摘したように、数えられていない票がなくても、トンプソン氏の票を含めた新しい合計―賛成が52票、反対が26票―は、結果を変えるのに十分であった。これらの事実はジョーンズ事務長によって確認された。
「実は、聖職者議員団の中で3分の2の多数決票があります」と、やや呆然としたフレッド・ヒルツ大主教が議場に発表し、議場は鳴り響くつぶやきで満たされた。
ナイアガラ教区のピーター・ウォール大司祭は、首座主教とその助言者たちがこの議案の可決をただ宣言するよう求めたが、その時点でヒルツ大主教はウォール大司祭と残りの議員たちに、この議案は教義の問題であることから、可決するには2回連続で総会の会合における投票が必要であることを伝えた。
英クリスチャントゥデイは13日、「カナダ聖公会、困惑させる(embarrassing)票の数え間違いを経て同性婚を可決」という見出しの記事でこれを報じた。