4人の現役牧師によるロックバンド「牧師ROCKS」が5日、ライブハウス「四谷アウトブレイク」で、結成3周年ライブを行った。4人のフルメンバーでの出演は8カ月ぶり。牧師ROCKSの他、ヘビーメタル、ベリーダンス、ゴスペルなど異色な組み合わせの表現者たちがステージに上がり、集まった約120人の観客を魅了した。
同バンドのベースを担当する関野和寛牧師(日本福音ルーテル東京教会)は、「神様の導きの中で、いつライブをやるのかが決まる。4人のメンバーが4県にまたがり、牧会を行っている。練習なども含め、4人が集まるのは非常に困難。今回は、たまたま8カ月という期間が空いてしまったが、次はいつ、どこでライブを行うかなど、われわれにも分かっていない」と話す。
この日のライブでは、牧師ROCKSのファンだという小さなギターを首から下げた3歳の男の子から、80歳の女性、僧侶、元修道女、その他信仰の有無にかかわらず、多くのファンらが8カ月ぶりの彼らの演奏に酔いしれた。
「聖職者である自分と、ロックという音楽をやる自分と、どちらも素の自分だと思っている。どちらも無理してそのようにしているわけではなく、一見両極端に見えるこの二つの自分がいることで、バランスをとっているように思う」と関野牧師は話す。
この3年間を振り返り、「牧師ROCKSの4人で演奏するのは、とても楽しい。誤解を恐れずに言えば、ライブをやるのは宣教をするためとか伝道するためではない。牧師がこうした活動を教会の外でやることで、『壁をぶち壊した』先に見えるものがある」と関野牧師。
「ライブに来てくれる特にノンクリスチャンの方々は、もしかしたら、この混沌とした世の中で、居場所を見失っていたり、型にはまることを嫌っていても、結局ははまらざるを得なかったりする人たちなのでは・・・と思う。その人たち一人一人にも『恐れず一歩を踏み出してみると、何か楽しいことがあるかもしれない』というメッセージが伝わればと思う」
「牧師は、救いを求めている人を手助けするのが仕事だが、ライブでは、たくさんの声援や多くの人の笑顔、『楽しかった』の言葉で、われわれメンバーが元気をもらい、救われている」と話した。
ライブの最中、関野牧師が「壁をぶっこわせ!」と叫んだ意味はここにあったのだ。また、MCでは、先日、関野牧師が友人のライブに行ったとき、友人の計らいで「招待」という形でライブを見ることができたこと、さらに、ライブ会場内ではドリンクも飲み放題だったことなどから、「安心しろ!お前たちも天国への招待チケットを手に入れられる!」と叫んだ。
ライブの終盤では、会場が一体となって、拳を突き上げ「アーメン!」と叫ぶ場面も。クリスチャンの男性は、「あんなに大きな声で『アーメン』と叫んだのは、生まれて初めてだった」と話した。また、教会に通う小学生の男子児童は、この日、初めて牧師ROCKSの演奏を聴いた。「牧師先生たち、カッコよかった」と話し、会場を後にした。
メンバーの関満能牧師は、熊本県で二つの教会を兼任している。牧師ROCKSは、8月に熊本県内で「坊主バンド」と共に無料のチャリティーライブを行う予定だ。「熊本県に少しでも元気を届けられれば」と関野牧師は話す。
熊本地震チャリティーライブ 牧師ROCKS VS 坊主バンド
日時:8月2日(火)
場所:ライブハウス 熊本ジャンゴ
熊本県熊本市新市街1‐36サンライトビルB‐1
※入場無料(1ドリンク500円)
※時間など詳細は追って公表
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