イスラム教のラマダン(断食月)の時期に合わせて、ムスリム(イスラム教徒)のために祈ろうと毎年発行されている祈りのガイドブック『ムスリム世界のための30日の祈り』が今年も完成した。今年のラマダンは6月6日から7月5日まで。日本における「30日の祈り」発行部は、希望者に対してガイドブックを教会経由で無料配布しており、期間中、祈りに参加するよう呼び掛けている。
1993年から続く「30日の祈り」は、年々変化するイスラム情勢の中でムスリムに対するとりなしを呼び掛け、情報を提供し、とりなしを実践することが目標。「とりなしを通して私たちはムスリムの重荷を一緒に負い、悩みを理解し、救いを求め、彼らを愛せるようになる」という。またこれは、「隣人を愛せよ」というイエスの戒めの実践でもある。
この祈りのガイドブックは伝道用には作られておらず、クリスチャンがより深く祈るための情報を提供するものだ。イスラム世界を地理的・文化的な違いから九つの地域に分類してイスラム世界を研究し、この九つの地域をベースに30日間毎日祈れるよう、各地域の解説と祈りの課題が紹介されている。
さらに、「私たちの目標」「私たちの祈りが向かうところ」「ラマダンとは何ですか?」「何かが起きています!」「30日の祈りのスタート」など個別のトピックも取り上げられ、現代のムスリムの宗教意識や、それぞれの文化圏における歴史、ムスリムとの平和の築き方などが記載されている。
この1年間、ムスリム世界では、戦争とテロにより数百万もの人が難民となり、避難所を求めて他国へ脱出するという悲劇的な事態が生じている。「30日の祈り」国際編集部は、「私たちの祈りは信仰の旅に出たムスリムに届くでしょう。まだキリストについて聞いたことのない多くのムスリムのために祈り続けましょう」と呼び掛け、「彼らに注がれる神の愛をさらに深く理解するとともに、今年もムスリム世界のためのとりなしをお願いします」としている。
日本語版ガイドブックに関する詳しい問い合わせは、「30日の祈り」発行部(電話:090・9250・7309、メール:[email protected])まで。