ブルガリアのある小さな村に住むイスラム教徒が、約100年の歴史がある東方正教会の修復のために資金を集め、作業に協力した。イスラム教徒は、村民の10パーセントを占めるキリスト教徒のため、大天使ミカエル教会の修繕に約12万円を集めた。
コズレットはブルガリア南部のハスコヴォ州にあり、ギリシャとトルコとの国境に近い。鐘楼の修繕にかかる費用は約12万円だ。「鐘が落ち、それに伴い屋根が崩れる可能性がありました。村のキリスト教徒は、このことをとても心配していました。ですから私たちは、資金を集めることを決めたのです」とカディール・ベイナー村長はニュースサイト「Hascovo.net」に語った。
イスラム教徒と地域のキリスト教徒は共に、鐘室と、教会を囲むフェンスを修繕し、インテリアを一新するための資金を調達した。教会が正教会のイースターとなる5月1日に再開するときに、この鐘が鳴らされる予定だ。会堂管理人のペータルさんは、「テーブルも、フロアマットも、全て人々から集められたもので、全てが寄付されたものです」と語った。
以前、鐘は危険な状態にあり、奉神礼の参祷者の頭上にいつ落下してもおかしくなかった。ベイナー村長は、この困難な時が、2つの信仰の絆を強くする機会となったと述べた。
「私の記憶からすると、両親の属するムスリムのコミュニティーと、かつてこの村で多数派だったクリスチャンは共に生活していました」と村長は語った。双方のコミュニティーは信仰で結ばれ、それぞれの休日を共に祝った。「これは、人々の信仰が強まるだけでなく、イスラム教徒とキリスト教徒のいる村で、皆が自分の役割を果たすことで祈りの家を維持できるという確かなサインです。コズレットは、今この時、特に必要とされている寛容の確かな例です」