イラクの司教は、過激派組織「イスラム国」(IS)の破壊から多くの町や都市を解放したとして、イラク軍とクルド人や他の民族の軍隊を称賛する公式声明を発表した。彼らは、「イラクは歴史的なターニングポイントとなる危険な分岐点に立っています。私たちはそれを賢く扱うべきです。現在の状況は、私たち皆に誤ってはいけない歴史的な責任を負わせています」と述べた。
カルデアのカトリック司教は、ニナワ平原のモスルやまだISが制圧しているイラクの他の地域を解放することで「これらの勝利を最大化」するよう祈った。彼らはまた、キリスト教の殉教者に憐れみを注ぎ、負傷者が早く回復するために祝福するよう願った。
アルビールのアンカワで行われたミーティングの最後に発表された声明で、司教たちは脱出し移民せざるを得なくなった数百万人への支援と連帯の意を宣言し、「彼らの苦しみが近い将来終わり、その時には彼らが自宅に帰って自由と尊厳と平和の中で暮らせることを望んでいます」と述べた。
カルデア司教区は、イラクの14のカトリック教区のうち9教区をまとめている。カルデアの教会はローマ・カトリック教会の一部である東方典礼カトリック教会の一つだ。教会の長ルイス・ラファエル・サコー総大司教は、イラクとその周辺地域の最近の発展、特に激しく迫害されているイラクのキリスト教徒の苦難について議論するため、5日に行われた会議に出席した。
司教は経済が急速に衰退し、国家的な財政危機に陥っている他、「経済的な汚職が広がっている」ことから来る、多くのイラク人の生活状況への「深刻な影響」を警告した。司教は特に、非常に多くの世帯が貧困ライン上やそれ以下で生活している状況において、治安状況を案じている。
司教は「賢い」イスラム教国の政府に、基本的なサービスが提供されるのを助けるよう呼び掛け、社会正義が人権の観点から回復されること、また分派やゲリラによる利得が放棄されることを呼び掛けた。彼らはキリスト教徒たちにも、新しい政府に関与するよう呼び掛けた。
「私たちは、求められている変革に当たってイラクの市民を支援することを確約します。変革は全ての形での分派的な定数の割り当てやひいきから離れた本物の政治的パートナーシップを設立するため、緊急に行われるべきことであり、本当の国家的、包括的和解を早めるプロセスから分離されることはできません」
変革は心の変化と魂の解放から始まるべきだと司教たちは述べた。「私たちはキリスト教徒たちに、忍耐を持って根気強く待ち、手当たり次第の移民という選択肢を選ばないよう呼び掛けます。私たちはもう一度、キリスト教徒の自宅と財産を保護し、違法な差し押さえをやめる必要があることを強調します」
司教は、勇気と力、決断をもって「慢性的な」問題に立ち向かう以外にはこの危機を乗り越える方法がないと述べた。