熊本県熊本地方で14日午後9時26分ごろ、最大震度7の揺れを観測する地震が発生した。気象庁によると、地震の規模を示すマグニチュード(M)は推定で6・5。震源地は熊本県熊本地方で、震源の深さは約10キロ。気象庁が観測を開始した1923年以降、九州地方で「震度7」を観測したのは、今回が初めて。
最大震度「7」を記録した同県益城町から、車で30分ほどの場所にある日本ナザレン教団熊本教会の中出牧夫牧師に話を聞いた。
地震が発生した午後9時26分。居間でくつろいでいると、突然激しい横揺れに襲われた。棚から物が落ちてきたり、家具が倒れたり、「突然だったので、本当にびっくりしました」とその時の恐怖を語った。
妻と子3人で牧師館に暮らす中出牧師は、揺れがいったん収まると、取る物も取りあえず、教会近くの公園に避難した。近所から続々と人が集まってきたという。
昨晩は、外にいて寒さを感じるほどの気温ではなかったが、毛布などを持参してくる人、テントを張る人などもいた。「余震が続いたので、家の中に入るのが怖かった」という。
また、益城町から同教会に通う信徒もおり、安否の確認に追われたが、全員の無事が確認されたとも話した。日付が変わる午前0時前後、中出牧師一家は家に戻ったが、いつでも逃げられるようにと、洋服を着、ソファで横になって一晩を過ごした。
電話でインタビューを行ったほんの数分の間にも「また、揺れている」と話し、余震が頻繁に続く様子がうかがえた。明後日の日曜日には、礼拝はもちろん、教会総会を控えている。倒れた棚などを整理しながら「今日と明日は総会準備を進める」と話した。
「益城町にほど近い教会では、会堂が倒壊し、一時、牧師一家が生き埋めになったといった情報も入った。昨日の今日で、まだ具体的な支援の必要性などは全く見えていないが、皆さんには、とにかく祈っていてほしい。熊本にも、こんな大きな地震が来るとは夢にも思っていなかった。このように、世の終わりもいつ来るか分かりません。備えましょう」と語った。