イースターの日曜の27日、少なくとも70人がラホールの自爆テロ事件で殺害された。そのほとんどはキリスト教徒と子どもで、テロ組織「ジャマートゥル・アフラル」が犯行声明を出し、キリスト教徒を標的としたことを認めた。
BBCニュースは、この爆発はイースターを祝うため、普段よりも少数派のキリスト教徒たちで混み合っていた公園内の子どもの遊び場付近で起き、他に300人以上が負傷したと報じた。
迫害監視団体は、欧米諸国からの反応を呼び掛けるとともに、なぜ米国とヨーロッパでのテロ攻撃には強い関心が寄せられるのに、世界の他の場所ではそうではないのかと尋ねた。
オープン・ドアーズの代表のデイビッド・カリー会長兼最高責任者(CEO)は、「イースターの休日を祝うキリスト教徒を特に標的とした本日(27日)の自爆テロは、キリスト教徒に対する迫害の国際的な増加を示す無数の例の一つです」との声明を発表した。
「全ての命は貴重です。私は、欧米諸国が、テロ事件が欧米諸国で発生したときのみ強い関心を払うように見受けられることに失望しています。アフリカ、中東、東南アジアで失われている命は、ヨーロッパや米国で失われた命と同じ価値があります。私たちはその損失に対し、等しく怒るべきです。パキスタンで今日起きているようなテロに対するには、米国や他の同盟諸国による強いリーダーシップと優れた外交力が必要です。私たちは、宗教的迫害がどこで起ころうとも、それに反対する声を共に挙げなければなりません」とカリー氏。
世界中のキリスト教指導者もテロ攻撃を非難し、イングランドとウェールズのカトリックの指導者でウェストミンスター大司教のヴィンセント・ニコルズ氏は、「悪の強情さはとどまるところを知りません。平和にイースターの日を祝っている女性と子どもを意図的に標的にすることで、憎悪のさらなる深みに沈みました。キリスト教徒を標的としたこの見下げ果てた行為は、全くもって軽蔑に値しますし非難されるべき行為です。私たちは亡くなった人と負傷者のために熱心に祈ります」と語った。
パキスタン当局は28日、襲撃の計画に関与した可能性のあるジャマートゥル・アフラルの戦闘員の行方を追っていると述べた。ロイター通信によると、ジャマートゥル・アフラルは、過激派組織「イスラム国」(IS)に忠誠を誓ったタリバンの分派組織だ。
パキスタン軍の報道官アシム・バジュワ氏は、「私たちの兄弟姉妹や子どもを殺害した者に正義を行わなければなりませんし、このような野蛮で残虐な者が私たちの命や自由を奪うことを決して許してはなりません」と述べた。
ある目撃者は、公園が非常に多くの人混みで賑わっており、到着したときには中に入れなかったと明かした。デイニッシュさん(仮名)は、「私たちは食堂に食べに行き、ちょうどその時突然に大きな爆発が起こったのです」と述べた。「みながパニックになり、あらゆる方向に逃げ出しました。多くの人が公園の門で止められていました。遺体があちこちにありました」
匿名の目撃者はAP通信の取材に対し、20人の子どもを病院に連れて行ったと明かし、「悲劇的状況を説明できません」と述べた。「ジャマートゥル・アフラル」の報道官は、キリスト教徒を標的とした攻撃は、政府に対する直接的な挑戦だと明かした。
ジャマートゥル・アフラルの報道官アフサヌッラー・アフサンは、「標的はキリスト教徒だった」と語った。「われわれがラホールに侵入したというメッセージを、ナワズ・シャリフ首相に送りたい」
パキスタンでは少数派のキリスト教徒はここ数年、多くの重大な襲撃事件に遭っている。例えば2013年にペシャーワルにある教会の外で爆弾が爆発し、80人以上が死亡した事件もその一つだ。
英国パキスタンキリスト教協会(BPCA)ウィルソン・チョードリー議長は、パキスタンのキリスト教徒は地域の公園内の遊園地で祝う長い伝統があると説明し、襲撃犯は特に子どもを標的としたと指摘した。
チョードリー氏は、「ボール・ベアリングで満たされた爆弾は、公園を訪れる最も弱い者を対象にしようという意図を持って子ども向けのエリアの近くに設置されました」と述べ、BPCAが犠牲者のための基金設立のための寄付の受付を開始したと語った。