今日は、新約聖書の最初に出てくるイエス・キリストの系図についてお話ししたいと思います。
聖書は、66冊の本が1冊になった書物です。新約聖書の1ページ目に出てくるのはマタイによる福音書で、この書はユダヤ人に向けて書かれたものです。
ユダヤ人は、系図をとても重んじます。旧約聖書には、「キリストはダビデの子孫」として生まれると預言されていました。イエスはダビデの子孫であり、さらに、イスラエルの祖先であるアブラハムにまでさかのぼると系図で示しました。
イエスの系図には、4人の女性の名前が出てきます。
1.「タマル」・・・彼女は義父と不適切な関係を持った人です。
2.「ラハブ」・・・彼女は売春婦です。
3.「ルツ」・・・彼女はイスラエルにとって救われないとされた異邦人です。
4.「ウリヤの妻バテシバ」・・・彼女は夫の留守中に不倫をした人です。
聖書が書かれた時代には、女や子どもは、人間の数を数えるときに数に入らない存在でした。そんな時代に、あえて問題のある女性がイエス・キリストの系図に入れられているのはなぜでしょうか?
イエス・キリストは、数に入らないような人、失敗した人、罪深い人を赦(ゆる)し、救い、神の家族としてくださることが、ここに示されています。威厳やかっこ良さはありませんが、ドブの中をはうようにして、クリスマスに人間の姿を取ってこの世に来られたキリストを示しています。
キリストは宗教家ではなく、神から遠く離れ、失敗し、罪にまみれた私たちを救うために、私とあなたのただ中に来られた救い主です。キリストは、家畜小屋の飼い葉桶の中に生まれました。私たち人間の本当の姿を表しています。きれいな場所ではなく、汚く、不衛生な場所に生まれた神の子です。
今日、あらためて、心の中にキリストを迎え入れませんか? 私もあなたも、イエス・キリストの系図の中に入れられていることを思って、自分を大切にし、一回だけの、繰り返すことのできない人生を、最高に生きていきましょう。
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