鹿児島県内で覚せい剤約100キロ(末端価格約70億円)を所持していたとして先月逮捕されていた神戸山口組系の暴力団幹部、田中浩孝容疑者(49)ら5人について、警察は2日、覚せい剤が海外から持ち込まれた疑いが強まったとして、5人を覚せい剤の密輸容疑で再逮捕した。共同通信が伝えた。
同通信によると、田中容疑者らは先月6日、東シナ海の海上で外国から来たとみられる船から覚せい剤約100キロを受け取り、同8日に鹿児島県の徳之島に持ち込んだ疑いが持たれている。
徳之島は鹿児島本土から南西に約500キロ離れた島で、先月の逮捕時の報道によると、田中容疑者らは、東シナ海の海上で覚せい剤を受け取った後、一度徳之島の港に覚せい剤を陸揚げし、その後、覚せい剤を車に乗せ換え、鹿児島行きのフェリーに乗船。先月10日、鹿児島新港に到着したところを逮捕された。
朝日新聞によると、逮捕された5人うち一部は、数カ月前に中国へ渡っていたことも明らかになっており、警察は密輸ルートに中国が含まれる可能性もあるとみて調べているという。
神戸山口組は昨年8月、指定暴力団・山口組から分裂した暴力団で、警視庁が先月25日に発表したところによると、組員は昨年12月末時点で36都道府県に約6100人おり、山口組、住吉会に次いで、全国3番目の規模の暴力団となっている。