同志社大学(京都市上京区)から出たごみを無許可で処分したとされる事件で、京都府警は18日、無許可の関連子会社「同志社エンタープライズ」に収集を委託したとして廃棄物処理法違反の疑いで、学校法人同志社の施設部長・山下利彦容疑者(59)ら職員3人を廃棄物処理法違反容疑で逮捕した。産経新聞などが伝えた。
発表では、昨年4月、一般廃棄物の処理許可がない同志社の子会社「同志社エンタープライズ」(同市上京区)とごみの収集・運搬業を委託契約し、同11月、紙くずなど約900キロの処理を204万円で支払い、委託したとしている。山下容疑者は同志社の施設を管理する事務を担当しており、府警は3人の認否を明らかにしていない。
同志社エンタープライズは、同志社の100パーセント子会社として2005年に設立。市の許可は得ていなかったが、06年度から、同志社とごみ収集・運搬の委託契約を結んでいた。府警は、同志社側も違法な状態を把握しながら、組織的に委託を続けていたとみて、詳しい経緯を調べるとし、同日、大学を家宅捜索した。水谷誠理事長の関与の有無についても慎重に調べる。
事件をめぐっては、無許可のまま同大キャンパスから出た一般廃棄物を同市伏見区の焼却施設に運んだとして、府警が1月19日、「同志社エンタープライズ」の社長(57)ら6人を廃棄物処理法違反容疑で逮捕した。京都地検は今月9日に6人を処分保留で釈放し、在宅で捜査している。
水谷理事長は1月、「同志社エンタープライズ」の社長らの逮捕を遺憾とした上で、同件については、昨年2月に京都市環境政策局から指導を受け、12月に清掃業務の委託先を京都市の指定業者に切り替え、現在は法令通りに業務を是正しているとホームページ上で発表している。