【ローマ=ENI・CJC】教皇ベネディクト十六世は、世界教会協議会(WCC)のサミュエル・コビア総幹事と1月25日会談した。教皇は、東方正教会、英国国教会、プロテスタント諸教会の大部分の共同体であるWCCとの協働を称賛した。「この協働は、キリスト者の間に存在する交わりに生き生きした表現を与え、エキュメニカル(教会一致を目指す)な対話と理解の醸成を進めた」と、教皇は述べた。
カトリック教会は、WCCのメンバーではないが、多くの領域で協力し、委員会にメンバーを出している。
教皇は同日付けのバチカン機関紙『ロッセルバトレ・ロマノ』が掲載した、コビア総幹事の21世紀半ばまでには相互聖餐が実現するとの期待には言及しなかった。
教皇は、キリスト者の一致を優先課題と捉えているものの、カトリック神学者の間ではバチカンがプロテスタント諸教会との相互聖餐に向かうとする見通しは少ない。聖餐の一致が実現するなら、最初は教義的に近い東方正教会とだろうと見られている。