【CJC=東京】ハノイの旧バチカン大使館前で、カトリック教会信徒が連日、大使館の土地の返還を求める祈りの集会を行っている、とAP通信が報じた。大使館は現在、スポーツセンターとして使われている。信徒側は、土地が1954年に政府に接収されたと主張、政府は自発的に返還されたものだとしている。
集会が始まったのは昨年のクリスマス前。教徒数百人が旧大使館で夜通しの祈りを行った。集会の中止を求める地元当局は門を施錠したものの、教徒らは建物前で祈り続けている。
ベトナムではこの規模の行動は取り締まりの対象になることが多いが、当局がそこまで踏み込まないのは、バチカン(ローマ教皇庁)との外交関係再開も意識されてのことと見られる。AP通信は、教会関係者が、これまで集会が取り締まりを受けなかったこと自体、関係改善の証左だとしたことを報じている。