【CJC=東京】教皇ベネディクト16世は7日、バチカン駐在の外交団と恒例の新年の挨拶を交換した。教皇宮殿には、バチカンと外交関係を結ぶ176カ国および欧州連合、マルタ騎士団、また特別外交関係にあるロシア連邦、パレスチナ解放機構、そして国連の各機関などの代表が集まった。
バチカン放送によると、外交団主席、サンマリノ共和国のジョヴァンニ・ガラッシ大使の挨拶に続き、教皇は外交官らへの言葉を述べた。
教皇は、今年の世界平和の日メッセージ「人類家族、平和の共同体」に強調したごとく、人類が一つの家族となるようにとの思いを語り、世界に安定を保証するには秩序と権利が必要だが、これらの権利が創造主から来る自然権利に基づいてのみ、それは真の平和の力となりうるだろうと述べた。
今日、生命が様々な攻撃から脅かされている中にあって、教皇は生命倫理の最前線は科学と倫理の間の選択ではなく、科学の倫理的使用にあると指摘された。また教皇は国連が死刑執行停止を求める総会決議を採択したことが、人間の命の聖なる性格を論議するきっかけとなるよう期待を寄せた。人権のテーマとして教皇は、社会の基礎である家庭の保護と、信教の自由を訴えた。