【ローマ=ENI・CJC】バチカン(ローマ教皇庁)聖職者省長官のクラウディオ・フンメス枢機卿は、児童に性的虐待を行った聖職者の行動を償い、犠牲者を助けるために世界中のカトリック教徒が祈るよう呼びかけた。バチカン紙「オッセルバトレ・ロマノ」が5日報じたところでは、同枢機卿はこの祈りを教皇ベネディクト16世が求めている、と述べたという。
全司教が自らの教区で、聖職者によってもたらされた被害を修復し、犠牲者が自分の尊厳を取り戻すことを助ける為に祈ることを教皇が求めている、と枢機卿は語った。
ローマの「レプブリカ」紙は、教皇が性的虐待を行った聖職者を「許容しない」方策を続けるものと報じている。
フンメス枢機卿は、カトリック教会の聖職者を巻き込んだ「スキャンダル」がいつも存在したが、「最近では極めて重大な結果をもたらしている。しかし聖職者の大多数はそのようなスキャンダルには関係がない」と述べた。
同枢機卿は特定の事例を引用しなかったが、02年、ボストンの当時の大司教バーナード・ロー枢機卿が教区の聖職者虐待問題への対処を誤ったとして起訴され、07年7月にはロサンゼルス教区が性的虐待の犠牲者508人によって起こされた訴訟で6億6000万米ドル(約724億円)を支払っている。