【シンガポール=ENI・CJC】マレーシアのキリスト者は、非イスラム教徒が「アラー」という言葉を使うことを禁止するという政府の決定に抗議の声を挙げている。7日、メディア向けに発表した声明で、マレーシア・キリスト教連合は、イスラム教徒だけが「アラー」という言葉を使用出来るという、アブドゥラ・ジン首相府相(宗教問題担当)の発言に「深い失望と遺憾」の意を表明した。
「『アラー』という単語はイスラム教以前にアラブ人キリスト者によって使用されていた」と、連盟議長のポール・タン・チーイン司教(イエズス会士)は声明で指摘している。「私たちは『アラー』という単語を使って来たし、これからも使い続ける。それは私たちの宗教権利だ」と、同連盟のハーマン・シャーストリ代表幹事は語った。
マレーシアの総人口2500万の約6割はイスラム教徒。キリスト者と仏教徒が28%を占めているが、その多くは少数派の中国系社会に属している。ヒンズー教徒は約1割。