【CJC=東京】神学者トーマス・F・トーランス氏が昨年12月2日死去した。94歳。1913年8月30日、中国で宣教師の家庭に生まれた。「20世紀、英国で最も偉大な神学者」(アリスター・マクグラス氏)。三位一体教義や神学と科学の分野の研究で知られ、カール・バルトの大作『教会教義学』の英訳、神学雑誌『スコッティッシュ・ジャーナル・オブ・セオロジー』創刊、改革派と東方正教会の対話などにも貢献した。
エジンバラ大学で哲学、神学を学ぶ。ニューヨークのオーバーン神学校教授、第二次大戦末期には英軍の従軍牧師として北アフリカやイタリアに駐留したこともある。1947年、アバディーンのビーチグローブ教会牧師に就任、50年にはエジンバラ大学で教会史を、52年にはキリスト教教義を講じている。76年、スコットランド教会(長老派)大会議長に選任された。
著作は『バルト初期神学の展開=1910〜1931年』(邦訳・新教出版社、1977年)、『科学としての神学の基礎』(邦訳・教文館、1990年)など多数。