中東歴訪中のブッシュ米大統領は10日、パレスチナ自治区を初めて訪れ、ヨルダン川西岸のラマラでアッバス・パレスチナ自治政府議長と会談、その後ベツレヘムに移動し、イエス・キリスト誕生の地とされる聖誕教会を訪問した。時事通信が伝えた。
9日にはイスラエルのオルメルト首相と会談し、イスラエル、パレスチナ両首脳と会談したブッシュ大統領は、今回の訪問でキリストゆかりの地を訪問することを希望。同通信によれば、「キリスト教徒にとってこれほど神聖な場所はない。魂が高揚し、歴史的知見が深まった」と語った。このほか、イエスが「心の貧しい者は幸いです」という山上の垂訓を伝えたとされている丘や、ナチス・ドイツによって虐殺された600万人のユダヤ人の慰霊記念施設「ヤド・バシェム」などを訪れた。
ブッシュ大統領は、10日のアッバス議長との共同記者会見では、「適切な支援があれば、パレスチナ国家は誕生すると確信している」と年内の和平交渉締結に自信を示した。しかし、聖都エルサレムの帰属については「きわめて難しい問題」とし、交渉で最大の焦点の一つになっている入植地拡大停止問題を含め課題が多い。交渉進展に向け、自らの任期が切れる来年1月までに、中東を再び訪問する予定だという。