【CJC=東京】カトリックとイスラムの代表が今春にも、ローマで会談する計画が持ち上がっている。教皇ベネディクト十六世は昨年9月、イスラムの教えを「邪悪」「残酷」とするビザンチン帝国皇帝の発言を演説で引用し、イスラム諸国の反発を招いたが、138人のイスラム宗教者が昨年10月、キリスト教とイスラム教の対話を求める公開書簡を発表したことに応え、双方の関係改善を図ろうというもの。公開書簡は、キリスト者とイスラム教徒に、唯一の神を信じるという共通の基盤を発展させよう、と呼び掛けていた。
イスラム教学者が2月か3月にローマを訪問、会談の準備に当たる、と教皇庁諸宗教対話評議会議長のジャン=ルイ・トーラン枢機卿がバチカン紙「オッセルバトレ・ロマノ」に語った。同枢機卿は会談の正確な期日を明かさなかったものの、今春には行うと述べている。
教皇も出席すると見られる会談は、個人の尊厳、相互理解に基づく宗教間対話、青年層に向けた寛容の指導、の3つを主要テーマとし、イスラム側から138人全員とは言えないまでも多数の学者が参加する歴史的なもの、と枢機卿は語った。