来日した外国人に指紋採取と顔写真提供を義務付ける新入国審査が今年11月から始まったことを受け、日本キリスト教協議会(NCC)は26日、福田康夫首相と鳩山邦夫法相宛てた抗議声明をインターネット上に公開した。
声明は、新入国審査の対象者が、16歳未満の外国人、在日コリアンなどの特別永住者、外交官等を除く「全ての来日・在日外国人」であることに言及し、採取された生体情報が政府によって長期間保管、活用され続けることを「危惧」するとした。また、05年の「改定入管法」成立後の出入国審査を見る限り、入国者が母語で入国審査を受ける状況になく、審査官にコミュニケーション不足を理由に逮捕、拘束されることや、ミドルネームを理由に、パスポート偽造罪で逮捕、拘束されるケースが増加している問題を指摘した。
そのうえで、米国で実施されている「US―VISIT」が「テロ対象者」の摘発に何ら効果を示していないにもかかわらず、「テロ防止」対策として同形式のシステムを日本で導入することは「(日本)政府の外国人差別政策の強化を明らかに意味」するとし、政府に対し、個人識別情報採取を一日も早く中止するよう求めた。
声明は先月20日付けで、同協議会の輿石勇議長、山本俊正総幹事の連名で出された。