居酒屋チェーンを全国展開するワタミの子会社の正社員だった森美菜さん(当時26)が過労により自殺したことをめぐる訴訟で8日、ワタミ側が損害賠償約1億3千万円を支払い、謝罪することで和解が成立した。朝日新聞などが伝えた。
同紙によると、森さんの遺族は、ワタミの当時代表取締役であった渡辺美樹参議院議員(56、自民党)による経営理念が、ワタミの長時間労働を強いる環境をつくったとして、ワタミだけではなく、渡辺氏個人の責任も追及していた。渡辺氏は当初、道義的責任は認めていたものの、法的責任はないとしていたが、最終的に責任を認めたという。
スポーツニッポン紙によると、森さんは2008年4月、ワタミフードサービス(現ワタミ)に入社。休日がほとんどない状態で、午後から早朝にかけて長時間勤務が続き、同年6月に自殺した。残業時間は月140時間を超え、過労による適応障害が認められ、12年に労災認定されていた。