仕手集団の元代表・加藤暠(あきら)容疑者(74)と、暠容疑者の長男で大阪大学大学院助教の恭(たかし)容疑者(36)が、運営するサイト「時々の鐘の音」に掲載していたコラムに情報を書き込んだとして、東京地検特捜部は7日、金融商品取引法違反(風説の流布、偽計)容疑で両容疑者を再逮捕した。
朝日新聞や時事通信によると、暠容疑者らは、化学メーカー「新日本理化」や専門商社「明和産業」などの計4社の株について、暠容疑者が主宰する株研究会「般若の会」のウェブサイト「時々の鐘の音」で、根拠のない情報をコラム内に記載。株価を吊り上げて保有していた各社の株を売り抜け、計約60億円の利益を得ていたとみられている。特捜部は両容疑者の認否については明らかにしていない。
同紙が関係者の話として伝えたところによると、暠容疑者がコラムの文案を考え、恭容疑者がサイトに掲載していたとみられているという。
一方、特捜部はこの日、大量に買い注文することで新日本理化の株価を不正に吊り上げたとして、暠、恭両容疑者を、金融商品取引法違反(相場操縦)の罪で起訴した。共犯容疑で逮捕されていた暠容疑者の妻(74)については処分保留とした。