本来、請求者が申請書に貼って提出する収入印紙を貼らせずに受け取る手口で、印紙約3400万円分を盗んだとして、東京法務局品川出張所の元契約社員、染谷忠史容疑者(48)=千葉県船橋市=が18日、窃盗と公用文書毀棄(きき)容疑で逮捕された。時事通信などが伝えた。
報道によると、品川出張所で窓口業務を行っていた染谷容疑者は、印紙を申請書に貼らせずに受け取り、申請書にコピーの印紙を貼り、さらにその申請書をコピーして保存。申請書の原本は破棄し、印紙を盗み取っていたという。別の職員がコピーしかないことに気付き、発覚した。
染谷容疑者は、盗んだ印紙を金券ショップで換金し、競馬などのギャンブルに使用したと供述しており、容疑を認めている。2013年12月から15年3月までの1年4カ月の間に、約50回、計3375万5250円分の印紙を盗み、申請書などを破棄した疑いが持たれている。
東京法務局では、2月にも城南出張所(大田区)の元契約社員が印紙約200万円を盗んでいたことが明らかになっている。染谷容疑者による印紙窃盗は、これを受けた全国規模の特別監査で発覚した。染谷容疑者は既に4月に懲戒解雇されており、東京法務局が5月に刑事告訴していたという。