聖書が与えられたことを感謝する「世界聖書日曜日」が、アドベント第二聖日の9日、その日を迎えた。主の降誕を祝うクリスマスを待ち望む中、普段手にしている聖書がどのようにして広められているのか改めて見直す時だ。
世界聖書日曜日は、450年ほど前に英国聖公会が設けたアドベントの祈祷課題である、第一聖日「キリストが与えられたことを感謝する」、第二聖日「聖書が与えられたことを感謝する」、第三聖日「教職が降誕の備えをする」、第四聖日「再臨への備えをする」という項目を受け、英国聖書協会が普及活動推進のために全世界で広めてきたもの。
現在、世界には140にも及ぶ聖書協会があり、200以上の国や地域で聖書普及の働きをしている。日本聖書協会では、国内の諸教会と団体の支援、協力を得ながら、聖書の翻訳、出版、頒布、普及を通して御言葉を全ての人へ届けるために、各国聖書協会と相互に協力しつつ活動を続けている。
海外では、貧困や紛争、政情不安、また宗教抑圧などの困難な状況の中で経済的・精神的支援を必要としているプロジェクトへの資金援助や、現地語の聖書を日本で製作して送品するなどの支援を行っている。
国内では、手話訳聖書のデジタル化を進めており、世界初の全巻完成に向け、手話翻訳者や映像技術などの人的協力、また、1巻(30分)のビデオ翻訳にかかる200万円の必要経費など、支援を求めている。点字聖書の製作活動では、かな文字を一つ一つ書き表していく必要があり、点字聖書全巻では40巻近い巻数になるため、製作コストが上がってしまう。しかし日本聖書協会では、すべての人が気軽に聖書を手にすることができるように、手話訳ビデオ、点字聖書ともに各巻100円で提供している。それらはすべて献金でまかなわれる。また、現在の日本の厳しい経済状況の下で、一般普及用の聖書の価格を一定額に維持するためにも様々な努力を要する。
日本聖書協会では、「御言葉による救いが、世界中のすべての人々に、くまなくゆきわたるまで、聖書普及の働きを続けてまいります。多くの方にご参加いただきたいと願っております」と呼びかけている。一人の人の救いの影には、聖書の製作と配布に携わる多くの者の祈りと、全世界の人々が救われることに対する情熱と強い意志がある。
日本聖書協会では、各プロジェクトに対する献金や、聖書普及活動を支援する後援会員を募っている。年間費は一口1千円から5万円まであり、支援活動の報告やニュースレターの配布、会員証と会員バッジの進呈などを行っている。詳しくはホームページ(