【CJC=東京】12月5日付の香港紙『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』によると、バチカン(ローマ教皇庁)と中国が11月下旬、関係改善に向けて北京で会合を行った。バチカン代表団にはピエトロ・パロリン外務局次長も含まれていたという。中国側は国務院国家宗教事務局関係者が出席したとみられる。この会合は11月初めに行われる予定だったが、教皇ベネディクト16世が12月にチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世と会談する、と報じられたことから延期されていた。会合直後に教皇とダライ・ラマとの会談中止が明らかにされている。
バチカンと中国の関係改善への障害の一つが司教任命。教皇だけが任命権を有するとのバチカンの主張を、中国側は内政干渉だと反発、これまで独自任命を続けてきた。バチカン側は一部を追認する形を採ってきたが。昆明、安徽、徐州の各教区司教については認めない状態が続いていた。
バチカンが承認した中国政府公認の「天主教(カトリック)愛国会」司教として、最近では11月30日就任した、湖北省宜昌教区のフランシス・呂守旺司教(41)に次いで、12月4日にはジョセフ・甘俊邱司祭(43)の広州司教の就任式が、広州市内の石室教会で行われた。
5日付の香港各紙によると、4日早朝に行われた就任戴冠式は山東省臨沂の房与耀司教が司式、広東省各教区から集った信徒ら1300人が参列した。中国側からは天主教愛国会や党中央統戦部の幹部らが出席した。
昨年10月、愛国会司教団とバチカンが甘氏を広州教区新司教にほぼ同時に推薦、バチカンは1月に正式の任命許可を出したものの、愛国会司教会議は11月21日になってようやく認可したという。広州司教の座は約10年間空席だった。
甘新司教は「独自任命された司教の約8割は教皇庁が認定した」と話している。