ある日、奥さんがご主人に、「あなたに2つの悪い知らせがあるの・・・」と打ち明けました。
「何だいお前?」
「実は、お医者さんから言われたの。あなたの余命が3年なんですって・・・」
「そっ、そうだったのか・・・。どおりで、最近、体の調子が悪いと思った・・・。でも、残された時間、最後まで頑張るよ。で、もう一つの悪い知らせって何だい?」
「あなたに伝えるのをすっかり忘れてしまっていて・・・。お医者さんに言われてから、そろそろ3年たつのよ・・・」
余命の宣告には賛否両論があります。余命を告げられたことですっかり元気をなくしてしまって、死期を早めてしまう人もいます。しかし、残された人生を楽しもうと、世界旅行をしたり、今までしたいと思っていたことにチャレンジしたりしているうちに、喜びや笑いがガンを死滅させてしまって、生き続けている人もいます。
あるクリスチャンの人は、脳に腫瘍ができてしまって、「余命半年」と告げられました。あわてて聖書を読み、神に祈るようになりました。ある日、聖書を読んでいたら次の聖句を見つけました。
「まことに、彼(イエス)は私たちの病を負い、私たちの痛みをになった。だが、私たちは思った。彼は罰せられ、神に打たれ、苦しめられたのだと。しかし、彼は、私たちのそむきの罪のために刺し通され、私たちの咎(とが)のために砕かれた。彼(イエス)への懲らしめが私たちに平安をもたらし、彼(イエス)の打ち傷によって、私たちはいやされた」(イザヤ53:4~5)
「そして自分から十字架の上で、私たちの罪をその身に負われました。それは、私たちが罪を離れ、義のために生きるためです。キリストの打ち傷のゆえに、あなたがたは、いやされたのです」(Ⅰペテロ2:24)
この人は、聖書の中に「神が健康を与えてくださる!」という約束を見つけ、信じました。毎日祈り続けました。それから数年が経ちましたが、今でも元気に生きています。
「余命宣告」は、人を窮地に追いやります。そこで目を覚まして、何倍もの人生を生きたとしたら、とても良かったことになります。楽しい事をしているうちに病気が治ってしまうこともありますし、神に祈ることで、病気が癒やされることもあります。事実を直視できる人には、厳しい内容ですが、プラスになります。
実は、すべての人が「余命宣告」をされているのと同じです。長い人は100年以上生きますが、平均70~80年。ある人はそんなに長くありません。にもかかわらず、人は自分の死に関してほとんど考えていないのではないでしょうか。あなたはどうですか。今晩が人生の終わりの時であっても、悔いのない最期を迎えられるでしょうか?「私の人生これで良かった!」と言えるでしょうか?
神が与えられる救いには2種類あります。命の救いと、人生の救いです。命の救いは、来世、つまり死後に与えられる救いです。復活し、永遠の命が与えられて天国に入ります。人生の救いは、現世で与えられる救いです。
私たちは、いつか必ず死ぬべき存在です。しかし、一回きりの人生を最高に生きられたら、その人の人生は救われていることになります。人生の救いは、人がどう思うかではなく、自分自身が「私の人生これで良かった!」と言える人生を生きているということです。
神は、キリストの十字架と復活を通して、「来世」と「現世」の両方を救ってくださいます。これが「Good News」です。しかし、この「Good News」が「Good News」になるために、「Bad News」を知る必要があります。
聖書は、「あなたは罪人です」と語ります。この「罪」とは、ギリシャ語で「αμαρτια(ハマルティア)」で「的外れ」という意味です。犯罪者ではなく、原罪(original sin)を持った存在という意味です。
人は、罪を犯したから罪人なのではありません。原罪を持った罪人だから罪を犯すのです。だから、罪を犯さない人は一人もいません。人に迷惑をかけないように心掛けていたとしても、人は、大なり小なり、必ず罪を犯しており、全てを知っておられる神の前で言い逃れできる人はいません。これが「Bad News」です。
聖書は、「罪から来る報酬は死です」(ローマ6:23)と語ります。何だ、聖書は「Bad News」で人を脅かして布教しているのか・・・! と思う人もいるかもしれません。脅かしているのではなく、事実なのです。
死には2種類あります。体の死と魂の死です。肉体の死の後に、神の裁きを受けて、第二の死である魂の死、つまり地獄に永遠に送られてしまう死があります。絶望的な「Bad News」です。
しかし、ここからが「Good News」の始まりです。その罪の刑罰と肉体の死と魂の死と地獄の裁きを、神の独り子イエス・キリストが十字架で身代わりに引き受け、墓に葬られ、3日後に死人の中から復活されました。この出来事が私の身代わりであったと信じる人は、誰でも救われるのです。
もし私が、あのご夫人が余命宣告を死の直前までしなかったように、この「Bad News」と「Good News」を誰にも知らせなかったとしたら、ひどい人です。私を知っている人なら、死んだ後に神の前に立った時、「菅野直基はクリスチャンであり、牧師なのに、『Bad News』と『Good News』を知らせてくれなかった。ひどい奴だ!」と言われてしまうことでしょう。
私は、できる限り毎日、この「Bad News」と「Good News」を知らせています。その時になって、「信じておけば良かった!」と後悔することだけはしてもらいたくありません。どうぞ、チャンスのある今、この「Bad News」と「Good News」を信じ、イエス・キリストの救いを受け取りませんか?
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菅野直基(かんの・なおき)
1971年東京都生まれ。新宿福興教会牧師。子ども公園伝道、路傍伝道、ホームレス救済伝道、買売春レスキュー・ミッション等、地域に根ざした宣教活動や、海外や国内での巡回伝道、各種聖会での讃美リードや奏楽、日本の津々浦々での冠婚葬祭の司式等、幅広く奉仕している。日本民族総福音化運動協議会理事。
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