インターナショナル・チャーチ「ライフハウス」が主催する「ライフハウス・カンファレンス2015」が8日から10日まで、ベルサール六本木(東京都港区)で行われた。ゲストに、ヒルソング教会コペンハーゲン(デンマーク)のトーマス・ハンセン牧師と、毎週7万人が通うというビクトリー・ユーベルト教会(フィリピン)のギルバート・フォリエンテ牧師を迎え、3日間で国内・海外から若者を中心に延べ2500人以上が参加した。
2002年に16人で始まったライフハウスは、現在では、香港や台北、バリ、ホノルルなど海外にも教会があり、国内・海外合わせて約4000人が集まる教会へと成長した。ライフハウス・カンファレンスは、地域教会を通して社会に影響を与えるクリスチャンを育て、励ましとインスピレーションを与えるために、2008年から毎年開催されている。
初日夜のナイト・セッションで話をしたハンセン牧師は、オーストラリアのヒルソング教会で、10代から20代前半のユースを中心にしたミニストリーで12年間奉仕し、その後、故郷のデンマークへ戻って、ヒルソング教会コペンハーゲンを立ち上げた。同教会は、都心の活気溢れる教会として知られ、地元で最も急速に成長している教会として注目を集めている。ハンセン牧師はこの日、ユーモアを交えながらも情熱的に語り、参加者一人一人を励まし、祈りへと導いた。
一瞬の決断で方向は変えられる
「一瞬の決断で方向は変えられる」。ハンセン牧師は冒頭にそう語り、大切なのは自分がどこにいるかではなく、自分がどこに向かっているかだと強調。「神様は、私たちの見えない所でいつも働き、いつも整えてくれている。神様は、あなたの人生の方向を転換してくれる」と伝えた。そして、日々の中で起きる困難を「嵐」にたとえ、その「嵐」が、間違えた決断をさせ、誤った方向へと向かわせてしまうこともあるが、「勇気を出しなさい。わたしは既に世に勝っている」(ヨハネ16:33)とイエスが約束していることを伝え、イエスも同じように「嵐」を通ってきたことを話した。
ハンセン牧師はマタイによる福音書14章から、バプテスマのヨハネが殺され、それを聞いたイエスが悲しみの感情に襲われたことや、その後のイエスの癒やしの奇跡の出来事を挙げ、イエスは神の息子として簡単に生きてきたわけではなく、罪がある人間と同様にその生涯を生きたことを説明した。いとこであるバプテスマのヨハネの死は、イエスにとって大きな悲しみであり、一人になろうと離れた場所に行ったのだと、ハンセン牧師。しかし、助けを求めてくる人々を見て自分の使命から逃げず、人々を癒やし、数々の奇跡を行ったイエスを語りながら、「神様は、試練を証しに変えてくれる」と話した。そして、一時的な「嵐」を自分で永久的なものとするのではなく、イエスは既にこの世に勝っているのだから、信仰による闘いから逃げないことを、その瞬間に決断してほしいと訴えた。
神様の声のボリュームを上げよう
ハンセン牧師はまた、「人生はうるさい」と言い、誘惑の声、家族の期待の声、過去の自分の声など、うるさいその声は自分の内側から来ると説明。こうしたネガティブな声を消すためにエネルギーを費やすのではなく、「神様の声のボリューム」を上げることが大切だと伝えた。周りのうるさい声を消すのではなく、神は何と言っているのか、神の声のボリュームを上げていこうと呼び掛けた。
その例として、ハンセン牧師はダニエル書6章12節を引用した。王を差し置いて他の人間や神に願い事をするのを禁止する発令が出されたとき、ダニエルは、家に帰りいつものように2階の部屋でエルサレムに向かって開かれた窓際にひざまずき、自分の神に祈りをささげた。「ダニエルは周りがうるさくなったとき、外で闘わず、家に帰ってドアを閉めて神様の声のボリュームを上げた」とハンセン牧師は言い、「人生を生き抜くためには、闘わなければならない時がある。その時に周りのうるさい声に溺れてしまわないように、神様の声を選ぶ必要がある」と語った。
また、教会は「イエスを信じて皆が一致団結できる最高の場所」だと言い、傷ついていても自分は一人ではない、仲間がいると強調した。また、イエス自身が信仰を完成させてくれると言い、「嵐」を見ないで、イエスを見るとき、向こう岸に行けると訴えた。また、「自分にとって大事なことは、イエスにとっても大事なこと。あなた自身が恵みの証しになる。『嵐』を通ったことで、他の人を助けることができる。キリストによって希望がある」と話した。
そして、「もし今、諦めようとしていることがあるなら、内側からの強さで今日、イエスを握りしめてほしい。明日の約束はできないのだから」と語り、メッセージを締めくくった。
初日のカンファレンスでは、ハンセン牧師のスピーチのほかに、ライフハウスのワーシップチームによる力強い賛美で会場は熱気に包まれた。3日間にわたるカンファレンスでは、2人のゲストスピーカーによる講演のほか、ライフハウスの牧師チームによるセッション、地域に根差した日本の教会発展のためのリーダーシップやクリエイティビティーを高めるための方法、学生をイエスの弟子へと立て上げることなどを学ぶ分科会が行われた。また、ワーシップチームによる賛美は日替わりのメンバーで演奏され、参加者が一つになって情熱的に賛美をささげた。
沖縄県から初めて参加したという30代の女性は、「とても楽しかった。ライフハウスが手掛けたセットがすばらしく、音楽の音もとてもよかった」と感想を述べた。岩手県から参加し、現在聖書を学んでいる最中だという20代の女性2人は「ユーチューブで知って参加した。ハンセン牧師のメッセージも、賛美からもパワーをもらった感じがする」と、演奏の余韻が残る中で語った。