日本ハンドベル連盟主催の第31回全国ハンドベル・フェスティバルが23日から24日まで、東京世田谷区の昭和女子大学人見記念講堂で行われた。全国から約70のハンドベル演奏チームが参加。ミッション系幼稚園生によるハンドベルチームから大学生チーム、また教会ハンドベルクワイアや家族ハンドベル演奏チームなど、様々な団体がこれまでの練習成果を披露し、美しいハーモニーを響かせた。
フェスティバルの参加団体は、キリスト教関係の団体が全体の9割以上を占め、その中でもミッションスクールからの出演が大半を占めた。今年は、大阪や神戸など関西圏からの参加チームもあり、また北海道から演奏を聞きにきたという純粋なファンの姿も見られるなど、遠方からの参加者も多く、注目の高さをうかがわせた。
全国フェスティバルは、1976年に設立した同連盟の記念企画として始められた。初めはわずか7団体の加盟に過ぎなかった同連盟ではあるが、現在は約650団体が加盟する。今では北海道、東北、中部、関西、九州の5つの支部も立てられ、全国で約2万人以上が演奏活動するまでに成長した。
教会奉仕とキリスト教普及を目的に始められた同連盟の活動は、すべてボランティアで行われている。慰問演奏だけでなく、チャリティー、テレビなどにも積極的に出演。謝礼を障害者施設や盲・ろう学校、知的障害者施設などへのハンドベル寄贈のために用い、昨年までの30年間で、海外を含め36カ所にハンドベルを送ってきた。今年は理事長に聖路加病院理事長の日野原重明氏を迎え、体外的にも体制が整えられつつある。
ハンドベルは単純な楽器で、手軽に始められるものではあるが、演奏者の人数とベルの種類によって、様々な音色をかもしだす演奏は奥深く、教会や地域でも愛好家が多い。連盟設立時から携わってきたスタッフはハンドベルの普及率の高さについて、「日本人はよいものを良く知っているから、よいものを提供すれば必ず広がります」という同連盟初代理事長の故池宮英才氏の言葉を伝え、31年間で全国各地に拡大した理由の一つを説明する。
また、「小さいお子さんは、正しい音感を養うことができますし、音を合わせることを通して人と人との交わりが体験できます」と話し、音楽的素養を高め、コミュニケーション能力を増す効果があることからも、普及率の高さをうかがわせた。
来年は、北海道札幌市の共催ホールで開催され、2010年には世界大会が計画されている。スタッフは、「誰でも、ベルが好きな方であれば参加できますよ」と、来年の開催にて向けて広く参加を呼びかけている。