先月、東京都内で初のアピール活動を行った「安保関連法案に反対するママの会」。以降、全国各地で地域に根ざした活動をしていこうと、都道府県別の支部が続々と立ち上がっている。その一つ、「安保関連法案に反対するママの会@ちば」が16日、千葉県市原市で、地元の「アベ政治をゆるさない!県民パレード」と共に、約150人が参加して声を上げた。
ママの会では、SNSを中心に情報の発信やパレード、集会情報の交換を行っている。今回、ママの会@ちばがデモ行動をするのは初めて。SNSの情報を見て子ども連れで参加した母親や男性の参加もあった。こうした政治的な活動に参加するのは初めてと答える人も多く、安保法案に関する関心の高さが、都市部だけではなく、郊外の地域でもうかがえる。SNSの書き込みには、「今日は行けないが、応援しています」などという声も上がっていた。
全国のパレード開催地で順番に譲り合いながら使用しているという、「だれの子どももころさせない」と書かれた横断幕もこの日、千葉県で初お披露目された。
ママたちの真夏のデモは、日焼け止めをしっかりと塗り、帽子を目深に被り、子どもたちの水分補給のための飲み物を用意してから始まる。千葉市からパレードに参加した親子連れは、「SNSを見て、今回のパレードを知った。初めて来る場所で、知り合いもいなかったので心配だったが、とにかく声を上げたかった」と話す。
「私たちは、普通のママです。世間では、感情だけで突っ走っていると、『ママの会』に対しての苦言を耳にすることがあります。しかし、私たちは決して感情だけで突っ走っているのではありません。『子どもたちを守りたい』その一心なのです。若者が国会前で声を上げています。『本気で止める!』が合言葉になっています。私たち母親も、本気で止めたい! この法案を本気で止めたいのです」と、マイクを通して集まった参加者に語り掛けた。
市原市から参加した80代の牧師に話を聞くと、「私は戦争経験者です。この法案が通ってしまったら、あの時代にさかのぼってしまうのではないかという危機感を覚えます。絶対に繰り返してはいけない過ちを、また繰り返そうとしているような気がしてならない」と語った。
「聖書には、『剣を取る者は皆、剣で滅びる』(マタイ26:52)とあります。剣は決して取ってはいけない。また、『平和を実現する人々は、幸いである、その人たちは神の子と呼ばれる』(同5:9)と書いてあります。『平和を実現する人』は、戦争に加担するようなことは決してないと思います。キリスト者として、一人の戦争経験者としても、この法案には反対です」と話した。
また、市原市内の教会に通う女性は、「十戒の中に『殺してはいけない』とはっきり書いてあります。殺してはいけないということは、そういった場に足を運んではいけないということではないでしょうか。この法案には、そうした点からも違和感を感じます」と話した。
パレードでは、「9条守れ!」「千葉県民をナメるな!」「戦争法案反対!」などのコールのほか、ママの会本部とそれに千葉県のママたちが付け足したコールも、約150人の参加者が共に声にした。
小学生の子育て真っ最中だというクリスチャンの女性は、「報道を見ていると、いろいろな意見がある。何が真実で、何が操作されたものなのかを見極める必要があるが、子どもを守る本能を備えたママの思いにうそはないと思う。クリスチャンとして、愛に基づいて考え、イエス様ならどうお考えになるかを祈り、求めていきたい」とその思いを話した。
地方都市からも「反対」の声が上がるこの法案。イエスならどう考えるか――。まずは神の御心を祈り求めることが、キリスト者としての使命なのかもしれない。