全世界で聖書贈呈の働きを進める国際ギデオン協会の第116回国際大会が、7月21日から26日までの6日間、米カリフォルニア州サンノゼで開催された。今年の国際標語である「国々に主の栄光を語り伝えよ」(歴代誌上16:24)をテーマに、世界97カ国から約2000人のギデオン会員・夫人会員が一同に集い、日本からは岩渕勲全国会長ら23人が参加した。
大会中には恒例の牧師招待晩餐会も開かれ、地元教会の牧師夫妻約500人を招待。総勢2500人以上が一同に会する大晩餐会は、各国の民族衣装に身を包んだギデオン・夫人たちで溢れ、華やかな雰囲気の中、ギデオン聖書を通してキリストを信じ救われた数多くの証しや、ビル・トーマス国際会長によるギデオン協会の紹介など、盛りだくさんのプログラムが3時間にわたって繰り広げられた。
また大会に先立ち、日本からの参加者は、サンノゼに近いサンフランシスコやシリコンバレーを訪れた。日曜日にはサンノゼ郊外にあるペニンスラ・フリーメソジスト日本語教会の礼拝に参加し、日本におけるギデオン協会の働きについて、報告と証しを行った。
ギデオンの新しい歩み
① 200番目のギデオン加入国「サン・マルタン」誕生
国際ギデオン協会は1899年、たった3人の米国人クリスチャン・ビジネスマンが互いに祈り合い、無料で人々に聖書を贈呈しようとして始まった。それから116年を経てその活動は全世界の国と地域に広がり、ついに2015年1月、世界200番目の国としてカリブ海に浮かぶ人口3万6000人の島国「サン・マルタン」(フランス海外準県)が加わり、会員総数は全世界で約30万人、聖書贈呈のための献金総額は年間125億円を超す世界最大の信徒伝道団体へと成長した。
② 贈呈聖書数が累計で20億冊を突破
2015年は、1908年からのギデオン聖書贈呈開始以来、全世界での贈呈聖書数が累計で20億冊を突破するという記念すべき年となった。聖書の需要は、アフリカ、アジア、南米を中心に近年急激に高まっており、最初の10億冊の贈呈までには93年を要したが、次の10億冊突破にはわずか14年しかかからなかった。
この1年(2014年6月~15年5月)では、約8500万冊のギデオン聖書が、世界中の学校や病院、ホテル、刑務所などに贈呈、または配置された。これは、1・7秒に1冊のギデオン聖書が世界のどこかで贈呈されたことになる。
③ ギデオン聖書がバイブル・アプリに
今大会で初めてギデオン聖書のデジタル版アプリが2015年秋に完成予定であることが発表された。スマートフォンやパソコンで利用できる聖書アプリは既に数多く存在するが、ギデオン聖書アプリの優れている点は、現在ギデオン聖書として翻訳されている約100言語の聖書が全て音声化され、聖書を耳で聞くことができるという点にある。
これは日本とはかなり状況が異なるが、母国語であっても文字が読めない人が多い国々で、直接音声で「聞く聖書」があれば、今まで届き得なかったより多くの人々に聖書を届けられるようになる。また、初めて出会った人に個人伝道する場合、会話を始めるに当たり、その人の母国語で聖書の言葉を聞かせて紹介することで、人々をより救いに導きやすくなるとの説明もされていた(日本語への対応については現在確認中)。
④ 累計20億冊の次なる目標「ビジョン2020」
国際ギデオン協会では5年後の2020年以降、全世界で毎年1億2000万冊(2015年の約1・5倍)の聖書を無料贈呈し続けることを計画している。これは中国やインド、南米、アフリカといった地域で、これまで以上に聖書贈呈の可能性があることから、人々の救いに直結する御言葉そのものである聖書をより多くの、特に若い世代に親しみ読んでもらうために立てられた計画である。
ビル・トーマス国際会長は、「そのために新会員の勧誘、教会での活動報告と証し、聖書献金、個人伝道をより推し進め、全てのギデオン会員が世界のどこにあろうと、それぞれの支部で100%活動に参加し、地域にあるふさわしい教会と積極的な協力関係を築いて地域伝道を進めること」が必要だと強調した。
変わらない「ギデオン精神」を確認
「ギデオン協会は、全会員が個人伝道することを奨励する団体であり、聖書贈呈はその手段であり目的ではない」ことが大会を通じ何度も確認された。大会中の3日間は、ランチタイムに必ず各自が3冊ずつ聖書を持って街に出て、祈りつつ導かれた人に証しをし、聖書を贈呈した。ギデオン聖書の最後には「今日、イエスを信じ受け入れます」という祈りをし、日付と署名をする箇所がある。今大会中にもランチタイムに街角やレストランでそうした救いに人々を導く体験をした証しを、いくつも聞くことができた。
毎年米国で開催されている国際大会は、来年は7月19日から24日まで、インディアナ州インディアナポリスで開催されることが決定している。