・・・御使いは、はいって来ると、マリヤに言った。「おめでとう、恵まれた方。主があなたとともにおられます。」しかし、マリヤはこのことばに、ひどくとまどって、これはいったい何のあいさつかと考え込んだ。すると御使いが言った。「・・・あなたはみごもって、男の子を産みます。名をイエスとつけなさい。・・・」そこで、マリヤは御使いに言った。「どうしてそのようなことになりえましょう。私はまだ男の人を知りませんのに。」御使いは答えて言った。「聖霊があなたの上に臨み、いと高き方の力があなたをおおいます。・・・」マリヤは言った。「・・・どうぞ、あなたのおことばどおりこの身になりますように。」(ルカの福音書1章26節〜38節)
天地宇宙を創られた偉大な神が、ごく平凡な私たち一人一人を愛しておられ、いつも見守って下さり、導いていて下さり、愛していて下さるのです。ですから、小さな一つ一つの事柄にも喜べる心の感度を高めたいと思います。
聖書の語るクリスマスの物語、マリヤの物語はまさにそうでした。聖書の語るまことの神は、平凡と思われる人間に関わって下さる方、人との関わりを持たれる神です。
1.神は恵みをもって人に関わられる
神が人である私たちに関わって下さるときに、神は恵みと祝福を与えて下さるのです。まことの神を知る前まで、私たちにとっての神も、罰(ばつ)を与え、得体(えたい)の知れない、うかつに近づくととんでもないことが起こる、忌々(いまいま)しいものを与えるというイメージがありました。しかし、クリスチャンにとっては、恵みと祝福をもって私たちに関わって下さる神なのです。
天地宇宙を創られ、私たちに命を与えられたまことの神は、恵みと幸せを私たちの人生に持ち込まれる祝福の神であることを知りたいと思います。
人間は誰もが、運やおまじないなど、自分の理解や理屈を越えたところから幸せや恵みを頂きたいと思うものです。だから、ついている、ラッキーだ、という言葉で、理屈を越えた所から与えられる良きものを求めているのです。
でも、私たちは運や占いやまじないのような当てにならぬものを遥かに越えて、本物の恵みと祝福、幸せを私たちの人生にもたらして下さる神と出会うことができました。私たちの信じる神は、天地宇宙を創られた偉大なまことの神であり、私たちを愛し救いへと導き、幸せで私たちの人生を満たして下さる神であることを喜びましょう。
2.神は聖霊の働きによって人と関わられる
神は聖霊の働きによって私たち人間と関わられる、という事実を知りたいと思います。マリヤは、神の祝福を受けて子を産む、と言われてビックリしました。彼女は戸惑い、混乱しましたが、御使いはマリヤに言います。「聖霊があなたの上に臨み、いと高き方の力があなたをおおうのだ。」
神が私たちに関わられるときに、神は聖霊の働きにより、具体的な力をもって私たちに関わって下さるというのです。クリスチャンとなると、神の力が人生に働くことを体験します。聖霊の働きによって、私たちの限界を超える力が、私たちの人生に働くのです。
できない、嫌だ、逃げ出したい、もう終わりだ、時にはもう死んでしまいたい、と思うことが私たちの人生にはあります。どんなに強がっている人でも、自分の弱さをつくづくと感じることがあります。しかし、神が私たちに関わって下さるときに、人としての私たちの限界や力の枠を遥かに越えるみわざを、聖霊により現わして下さるから、感謝ではありませんか。信じる私たちには聖霊の力が働き、聖霊が働くところには、いと高き神の力が伴います。
ムーイ先生の集会でも、私たちの教会の集会でも、奇跡的な癒しが続出していますが、そこには聖霊が働き、神の力が現わされているのです。今日あなたのためにも御霊は注がれます。
3.恵みの事実が不可能を破って実現する
単に神が恵みをもって来られ、聖霊が働かれるだけではなくて、本当に私たちの人生の中に不可能の壁が破られて、不可能が可能に変わるという事実が起こるのです。
御使いは今日の箇所の最後に言いました。「神にとって不可能なことは一つもありません。」素晴らしい聖書のお言葉だと思いませんか?本当にそうです。このお言葉が御使いからマリヤに与えられて、マリヤの人生で実現しただけではなく、あなたの生活の中の事実となるのです。
ごく平凡な女性マリヤから、主イエス・キリストが誕生したのでした。神が働かれるときに、私たちの人生の中にも不可能の壁が破られるという事実が伴います。あなたが祈ればその祈りは答えられ、私たちが求めれば、神は御手を動かして働いて下さるということです。私たちが主の御名を叫び求めれば、天からの力と恵みによって、しるし、不思議、ときには奇跡さえ行なわれるということです。
私たちはすでに、クリスチャンになったことで不可能を可能にされているのではないですか?不平不満、人を憎む人生から、人を愛し主によって死さえも恐れることはなくなったのです。神が関わられる人生は不可能を一つ、また一つと乗り越えて行くことができます。マリヤに与えられた神の恵みは、イエス・キリストを通して、私たち全員のものとなり、神を信じる私たちが共有できる祝福となったのです。
今年も9都市で合計12回のクリスマス集会を開催させていただきます。これからクリスマスへ向けての時間の中で、神の恵みを体験してまいりましょう。神はあなたの人生にも関わって下さり、絶対に祝福を現わして下さいます。
万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など、多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。