第48回バックストン聖会が23日午後2時から、東京・渋谷区の日本基督教団渋谷教会で始まった。田村幸三氏(五日市キリスト教会前牧師、アライアンス神学校前校長)が午後6時半からの集会で講演し、「神は私たちをおくびょうでなく、大胆な福音の証し人としてくださる。聖徒が歩んだ歩みを教え、臆する霊でなく、力と愛と慎みの霊をいただいた者として、福音の生涯をまっとうさせていただきたい」と語った。
IIテモテ1章で使徒パウロは、「神の賜物を、再び燃えたたせなさい。というのは、神がわたしたちに下さったのは、臆する霊ではなく、力と愛と慎みとの霊なのである」(6〜7節、口語訳)と、厳しい迫害の中にあった弟子テモテを激励している。
田村氏は、環境、倫理など様々な面で地球規模の危機を迎えている現代社会にあって、「イエス・キリストの福音は、あなたのため、私のため、ということを100パーセント信頼しているか」と会衆に問い、いまを生きる私たちにこそ、パウロがテモテに教えた信仰の確信が求められていることを訴えた。
そのうえでパウロの語る(1)力(2)愛(3)慎みの意味を説いた。
「力」とは、ここでは肉体的な力強さを意味するのではなく、キリスト者に与えられている聖霊による人格的な力を示す。田村氏は、日本の純福音派の源流を生み出したバックストンのなかに、会う人を感化せずにはいられない、聖霊による人格的な影響力があったと証しした。
また、「愛」は「聖霊の実」であり、「教会をつくりあげるもの」だと説いた。そして、教会の中で信徒があまりにも主観的に人を批判することは、「愛の霊」によることではなく、教会の伝道がふるわない大きな原因だと指摘した。
「慎み」について田村氏は、ここでパウロが用いた単語は、外科医師が手術をするときに要するような「冷静な心の状態」を表すものだと解説したうえで、キリスト者にはうちに燃える愛の情熱と同時に、それを御言葉に従った正しい方法で表すための冷静さが必要だと説いた。
田村氏は、バックストンに直接学んだ信仰の諸先輩方に共通して「『山をも動かすことができる』という、単純で、しかも大きな祈りの力」があったと語り、会衆もこれに倣い、逆境の中にあってもイエスの御名で祈るときに必ず応えてくださる、父なる神を確信する「福音の証し人」として世に遣わされて行くようにと激励した。
聖会は25日まで、3日間の日程で行われる。講演は全6回。24日午後2時の集会は村上宣道氏(日本ホーリネス教団坂戸キリスト教会牧師、太平洋放送協会理事長)、午後6時半からは北尾欣三氏(日本イエス・キリスト教団北大阪教会牧師)、25日は午後2時から田村氏、午後6時半から北尾氏の講演を予定している。